blicher hemmer gadd

昨日のポンタさんのライヴに触発されて、今日はスティーヴ・ガッドで。このところチック・コリアとバンドを組んだり、桑原あいをサポートしたり、はたまた自分のスティーヴ・ガッド・バンドでも新作発表と、作品リリースや来日公演の機会が増えているガッド。さすがに以前のような、バリバリのスタジオ・セッションはほとんどなくなった。きっと彼は声が掛かれば出て行くのではなく、今の自分を活かせる場、貢献できる仕事を選んでいるのだと思う。

昨日だけでなく最近のポンタさんを見て思っていたのは、さすがの御大でも、テンポの速い16ビート物やファンク・チューンに於いては、往年のキレはあまり感じられなくなっているな、ということ。その代わり、バラードやブラシ系のドラミングには円熟味が増し、以前よりも深く説得力のあるプレイが楽しめるようになった。

ガッドもまさに同じ。最初にエリック・クラプトンのツアー・サポートについた時は驚いたし、「日和ったか?」なんて意地悪な見方もしたものだが、そのゆったりしたR&Bグルーヴを直に感じて、“なるほど” と思ったものだ。昨今のガッドが、ジェイムス・テイラーのバンドの面々と自己名義のバンドを組んだり、コンテンポラリー・ジャズ・スタイルの共演に向かう機会が多くなったのも、きっとそういうコトなんだと思う。

2月に来日もしていた、このブリッチャー・ヘマー・ガッドなるオルガン・ジャズのトリオ。サックス奏者のミカエル・ブリチャー、ハモンド・オルガン奏者ダン・ヘマーというデンマーク人コンビにガッドが割って入ったもので、14年の北欧ツアーで初お目見え。その時の模様は、ライヴ盤としてレコード/CDでリリースされている。更に続編として、16年のヨーロッパ公演をライヴRECしたのが、本作『OMARA』というワケだ。

ガッド曰く、「僕はオルガン・バンドの音楽が大好きで、それを聴いて育った」とのこと。でもそれがUSのコテコテ・ソウル・ジャズではなく、ちょっと斜に構えた北欧ジャズ勢というのが面白い。少し耽美的というか、ややもするとラウンジ〜イージー・リスニングっぽい佇まいの楽曲もある。なので、従来のガッドの “ドラムの神様” 的イメージで接すると、はぐらかされるだろう。でもそれを踏まえた上で、“今のガッドも良いのよねぇ〜” という方なら、一聴の価値アリだ。