ponta_rhythm monster
40th記念アルバム『RHYTHM MONSTER』

このライヴ・レポートからブログ再開。村上ポンタ秀一のデビュー45周年を記念して4月6日に中野サンプラザで開催されたライヴ・スペシャル『音楽境地』の後夜祭 - PONTA BOX meets 佐藤竹善@Blues Alley Japan に足を運んだ。残念ながらジャンクフジヤマとの前夜祭はスケジュールが合わず、お邪魔できなかったので、この後夜祭は必ず、と思っていた。竹善さんともメッセンジャーのやり取りだけで、かなりお久しぶりだったし…。

まずファースト・セットは、PONTA BOXだけのセット。メンバーは岡沢章(b)と柴田敏孝(kyd)とのトリオで、ガチのジャズ・セット。でもかつてポンタさんが才能を見出したピアノの柴田クンというのが、マジでスゴ腕で。このところ歌モノのバックでしか彼を見てなかったけど、やっぱり Ponta Boxではその本領が現れる。そしてその天才的ピアノに触発されたかのように、リズム隊のオッサン2人のヴォルテージがグングン上がっていくのだ。結構奥の席で観ていたが、それでも2人が合いの手を入れるかの如く、プレイしてながら発する声が耳に飛び込んでくる。特に驚いたのは岡沢さん。この前のサンプラザでは、どっしり構えて落ち着いてプレイしているように見えたのに、今日は椅子に座りながらも、身体全体が動く動く。本当に気合いの入った、圧巻のプレイだった。

そうなると、当然ポンタさんも激しく反応する。サンプラザでのステージは、どうしたってゲストや出し物のテーマに沿ったものになり、アレンジはカッチリ決め込む形になる。でもこれくらいベテランのリアル・ミュージシャンは、キメキメに作り込んだものより、自由度の高いフォーマットの方が真価を発揮するものだ。前のめりで緻密な16ビートより、ゆったり構えた4ビートやバラードに円熟の味を滲ませるのである。そうした意味で、お祭り状態のサンプラザ公演より、今夜はドラマー:ポンタを堪能できると期待していたが、果たしてこの日は完全に予想以上の出来。サンプラザとはスタイルが全然違うとはいえ、まさにポンタ健在を示した堂々のステージで、演奏クオリティははるかに上だった。きっとご本人にそれを言ったら、「バカヤロー、舐めんじゃネェぞ」とドヤされただろう

セカンドから登場の竹善さんは、ポンタさんとは長い付き合いなのに、こうしてライヴで本格的共演をするのは、意外にも初めてだとか。でもそこはさすがにキャリア組、まったく臆することなく、絶妙な間合いで歌っていて、聴いていてメチャ気持ち良い。意外な選曲も、実は上掲『RHYTHM MONTER』収録曲だったりするし、竹善的にも『CORNERSTONES』の延長戦みたいなモノだったんじゃないだろうか。そして本編ラスト3曲とアンコールには天野清継(g)も加わり、スティーヴィー・ワンダー、ビートルズと歌モノをジックリ。最後はエルトン・ジョンでシットリ締めくくって、やっぱりポンタさんは歌が好きなんだな、と再確認させられた。

既報の通り11月には、『音楽境地 Vol.2』としてヴォーカル中心のライヴがある。そちらも今から楽しみだ。


 【1stセット】<PONTA BOX>
1. Contusion *(Stevie Wonder)
2. Well, You Needn't *(Thelonoius Monk)
3. The Juggler(Weather Roport)
4. Actual Proof *(Herbie Hancock)
5. Tell Me A Bedtime Story *(Herbie Hancock)
 【2ndセット】<meets 佐藤竹善>
1. Fever *(Pegg yLee)
2. Seven Steps To Heaven(Miles Davis)
3. Butterfly(Herbie Hancock)
4. 卒業写真 (荒井由実)
5. Django 〜 舟唄 *(MJQ / 八代亜紀)
6. The A Team (Ed Sheeran)
7. Send One Your Love(Stevie Wonder)
8. Blackbird (The Beatles)
 【Encore】
9. Your Song (Elton John)

* 印『Rhythm Monster』収録曲