nobu caine 018

斉藤ノヴ率いるノブ・ケイン、結成30年目にして18年ぶりの復活! 結成メンバーの斉藤ノブと村上ポンタ秀一を中心に、旧メンバーの重実徹(kyd)、福原将宜(g)が復帰。そして宮崎裕介(kyd)、川崎哲平(b)、山内陽一郎(ds)の3人が新加入し、タイトル通りの7人が揃った。ダブル・ドラムにダブル・キーボードというノブ・ケインならではのフォーメーションは、そのままこのグループの音の特徴を示すものでもある。

オリジナル・メンバーは、ノブとポンタ両御大に、松原正樹(g)、島村英二(ds)、青木智仁(b)、小林信吾(kyd)、難波正司(kyd)というラインアップ。角松敏生の初めてのギター・アルバム『 SEA IS A LADY』(87年)のツアーに参加したノブ、ポンタ、青木、小林が意気投合してスタートし、89年1月、角松プロデュースの1stアルバム『NOBU CAINE』でデビューした。大忙しのセッション・ミュージシャン集団だから、メンバー交代も多く、00年の5作目『ENCORE』を以って活動を止めた。

それがこのタイミングで復活したのは何故だろう? 勝手にノブさんの考えを推測すると、松っつぁん(松原正樹)が亡くなってパラシュート再レギュラー化の目論見が浮いてしまった時、じゃあ何をやるべきかと考え、ノブ・ケイン再編が思い浮かんだのではないか。もちろんその奥には、イイ歳になったノヴさんやポンタ氏が、“元気なうちに…” という気持ちがあったことだろう。

実際このアルバムを聴くと、ノブ・ケインの特徴であるオリエンタル・フレイヴァーだけでなく、ラテン・ロックのテイストや、ほんのりサザン・ロックの香りもシッカリ混入されている。そう聞いてピ〜ンときた方も多いと思うが、ノヴさんは都内でのレギュラー・ライヴで しばしば “サンタナ・ナイト” を組んでおり、そのサンタナに多大な影響を受けている高中のサポートも行っている。そもそもダブル・ドラム+パーカッションという賑やかな編成がラテン・ロック向き。福原のギターも、曲によってはモロにサンタナ〜タカナカだ。またサザン・ロックに関しては、デビュー作にオールマン・ブラザーズ・バンド<Jessica>のカヴァーを入れていたほどで、ハナからバンドの持ち味の一端ではあった。でもこうしたテイストは、メンバー交代を繰り返すうちに徐々に薄らいだ気がする。

セッション・ミュージシャン集団だから、巧い、カッコ良い、グルーヴィーなんて当たり前。わざわざ解説するようなコトではない。重要なのは、何故いまノブ・ケインか、ノブ・ケインの持ち味とは何なのか? それを追求した作品がコレではないか? 70'sテイストで、なおかつ大らかなメロディを際立たせた楽曲が多いのも、技巧化、商業化に右往左往し、結果マンネリに陥って低迷した今の日本のフュージョン・シーンで対するアンチテーゼのように思える。何より、オリジナル・メンバーと元メンバー、新メンバーをバランスよく配し、結成当初の心意気を取り戻したように見えるのが嬉しい。活動再開の発端はノヴさんの胸の内にあっても、それを具現化するには高いモチベーションが重要。音楽のケミストリーは、それが共有された所にしか生まれ得ない。