kadomatsu_breath 2018

TOSHIKI KADOMATSU Performance 2018 『BREATH from THE SEASON 2018』@大宮ソニックシティ に行ってきた。今回のツアーはビッグ・バンド・スタイルの大所帯なので、40日間で10ヶ所11本という短期集中型。ツアー4日目にして、初の関東圏登場である。もっとも首都圏公演は、あとラストの中野サンプラザ2daysしかないのだが… 

本人もMCで言っていたが、大宮ソニックは興行側に人気のハコで、スケジュール確保が難しい。確かに大きいツアーでは必ずと言っていいほど埼玉県南でライヴを持つ角松が、ここ数年は戸田や川口、浦和ばかりで、我が街:大宮は何と9年ぶり。でも達郎さんは毎回ソニックで、しかも2日やったりするぞー>イベンター そういえば80年代終わり頃か、地方公演から上ってきた角松が大宮に前乗りで一泊し、まだ会社勤めをしていたカナザワに、いきなり「これから飲みに行こーゼ」と誘いってきたのを思い出した。

…というワケで、アロー・ジャズ・オーケストラとの公演がない東京近郊では、初めての角松 with ビッグ・バンド・ライヴ。さすがにレコーディングに起用したトップ・ミュージシャンを全国連れ回すワケにはいかないから、どうするつもりのか?と思っていたら、名古屋を境に、西は同志社大のビッグ・バンド:サード・ハード・オーケストラの現役+OB、東は今回のビッグ・バンドの元締め:本田雅人が教える音大の生徒+OBを起用して、トランペット×4、トロンボーン×4、サックス×5から成る13管を構成した。対してリズム隊は、闘病から復帰の小林信吾(kyd)、梶原順(g)、山内薫(b)、そしてドラムに北井誉人。今回のツアーのメイン・ドラマーは若手ジャズ・ドラマー:荒山諒だが、スケジュールの問題から、この日は神保彰の愛弟子(弱冠23歳)の北井がトラを務めた。

ステージ上は上手半分がビッグ・バンド。ビッグ・バンド用の譜面台が縦に3列並び、その前面にはトレードマーク的になりつつある真紅のピンヒールが描かれている。そして下手側にジャズ編成の臨編・角松バンド。この並び、既視感があるなーと思って記憶を辿れば、行き着く先は『8時だよ!全員集合』。そしたら角松のMCで同じことを喋っていて、やっぱ同世代は考えることが同じだワと苦笑してしまった。

かくしてショウのスタートは、CDと同じ<Lady Ocean>。続いて<I'll Call You>と進んでいく。ツアーはまだ前半戦も消化してないので、セットリスト公開はしないけれど、『BREATH from THE SEASON 2018』からはカヴァー曲<A Night In New York>を除いて全曲が披露されたコトを伝えておこう。そしてそこに追加された楽曲も、ホーン・セクションが重要なパートを占める角松楽曲ばかり。自ずとホーンを連れてツアーしていた初期ナンバーが多くなったが、そこは概ねファンに好評だった。前半のハイライトは、英語版<You're My Only Shinin' Star>から<Ramp In>、<June Bride>と続く美メロ・バラード三連発。

一方後半の盛り上がりは、著名アニメのテーマ2曲のライヴ版マッシュアップだろう。いわゆるメドレーではなく、両方のテーマを繋いで行ったり来たりする。当然メロディやコード進行が似ていないと出来ない芸当。角松はこれを『曲想の類似』と呼んだが、どちらも国民的人気曲だけに大ウケだった。言うなれば、類似に気づいた着眼の勝利。でもそれを発見したのが、風呂に浸かっている時で、鼻歌を歌っていたら、いつの間にか曲が摺り替わっていたというから笑える。でもコレ、以前も気づいた人がいたらしく、カナザワ的には、「あーっ、このパターン、前に何処かで話で聞いたぞ」と思い出した。もっとも、こういう形で世に問うたのは、角松が初めてだろうが… 

粋なビッグ・バンド・スタイルを聴かせるからか、いつになく流していくような軽いノリが今ツアーの特徴。想いが募り過ぎて、時にトゥ・マッチになる嫌いがある角松節も、今回はいたって軽快、スムーズに成り響く。この洒脱なライト感覚が、なかなか新鮮。しかもそれはライヴで、より顕著に現れた気がする。きっとアルバムでは緻密にプログラムされていた音が、ビッグ・バンドの生演奏に掛かって、よりダイレクトかつヴィヴィッドにジャズの醍醐味や魅力が伝わったからだろう。いつも完成度が高いアルバムを作る角松なので、ステージでもその再現性が勝負になってきたが、今回はむしろライヴでこそ作品の本領が伝わる気がする。

ついでに書くと、真っ白なスーツにボルサリーノでキメた角松に、女性ファンがウットリとなること必定。ゆるゆるのプライヴェートを知っているカナザワでさえ、「あ、こりゃあ参った」ってな感じ 終演後のバックステージえは、さっさとTシャツ・スウェットに着替えて友人や関係者の前に出てくるのが常だが、今回ばかりは「着替えないで欲しかった…」という声が多かった。

既にツアー最終の中野2daysは完全ソールドアウトだそうだけど、残りのスケジュール、まだチケットを手にしていない角松ファンは要チェックよ。