kadomatsu_breath 2018
TOSHIKI KADOMATSU Performance 2018 『BREATH from THE SEASON 2018』ツアー・ファイナル@中野サンプラザ 2日目に参戦した。個人的には6月9日@大宮ソニックシティに続いて、今ツアー2度目の参加。10ヶ所で11本という比較的短いツアーにあって、序盤と楽日を観られたのはラッキーだった。前にも書いた通り、今回のツアーは、小林信吾(kyd)、梶原順(g)、山内薫(b)、荒山諒(ds)の4リズムに、トランペット×4、トロンボーン×4、サックス×5から成る13管を引き連れてのビッグ・バンド・スタイル。ブラス・セクションは東西で2チームあり、東京公演は本田雅人(sax)や中川英二郎(tb)らの教え子である昭和音大及び国立音大のOB / OG らがステージに立った(大宮公演レポートはこちらから)


東京公演のスペシャル・メニューは、早くも2曲目<I'll Call You>で明らかになる。吉沢梨絵、あんにゅを含む女性シンガー3人がコーラスについたのだ。アルバムで歌っている彼女たちのゲスト参加は、前もって予測できたけれど、コーラスも頼んじゃう!ってのは、「ウム、その手があったか」と。今ツアーの女性陣不在のライヴでも物足りなさを感じることはなかったが、やはりコーラス効果は絶大だった。そもそも女性コーラス3人という編成も、角松ライヴでは珍しいし…(通常は2人)。

<ANKLET>が終わると、長めのMCタイム。今ツアーのテーマであるビッグ・バンド・アルバム制作の経緯や今ツアーの概要に加え、楽日の総括として「とても思い出深いツアーになった」と語った。往年のツアーでは3〜5人程度のホーン隊を帯同させていたし、MCでもあった通り、シーウインドのジェリー・ヘイやラリー・ウィリアムスを迎えてのよみうりランドEASTでのバブリーなイベント・ライヴも記憶に残っている。でもこれだけの大所帯でツアーを回ったのは、今ツアーが初めて(ゴスペル・クワイア現地召集の『THE MOMENT』ツアーは例外)。苦労もあれば至福の瞬間も多くあったに違いない。

前半でファンが喜んだのは、人気バラード<You're My Only Shinin' Star(英語版)>、<Ramp In>、<June Bride>が続いたあたりか。でもこの辺はビッグ・バンド・アレンジではなく、ソリストとしてサックスやフューゲルホーン、トロンボーンがフィーチャーされただけ。つまり今ツアーの主旨、本筋からは若干ズレてる。そうした意味では、従来のファンク・チューンや角松グルーヴの効いた楽曲は、ただホーンが大所帯になっただけで、本来あるべきビッグ・バンド・スタイルには馴染まない。逆に原曲からして洒脱な<Rain Man>や昭和歌謡をカヴァーした<港が見える丘>、巧みにスウィングを取り込んだ<Airport Lady>が、ビッグ・バンドにはジャスト・フィットする。

そしてその真骨頂たるが、アニメ『ルパン3世』と『宇宙戦艦ヤマト』のテーマをライヴでマッシュ・アップさせた<Lupin The YAMATO>。大宮レポートにも書いたように、とにかくアイディアの勝利といえるメドレーだったが、これまでは「クサすぎて自分には歌えない」と言ってスキャットでごまかしていたヴォーカル・パートを、一部ながら歌詞付きで披露して拍手喝采を浴びた。でも終わったあとも歌詞についてひと言も語らず、次の曲のMCに行ったところを見ると、マジで照れたのか…

そしてアルバムの、またこのツアー・ファイナルのハイライトが、吉沢梨絵を迎えた<Nica's Dream>(原曲はホレス・シルヴァー)だ。劇団ひまわりで子役から歌っていた彼女のシンガー・デビューを手掛けたのが、VOCALANDでの角松。その後、劇団四季に入ってミュージカル・シンガーとしてステイタスを築いた梨絵嬢だけあって、その表現力。スキャットのスピード感は素晴らしかった。もちろん後半のメンバーたちのソロ回しも熱量高く、各ソリストのスキルを堪能。これぞビッグ・バンドの醍醐味 である。それに比べて角松イメージの強い楽曲は…、となるが、そこはやはり角松の存在あってこその企画作品でありコンサート・ライヴ。角松ファンにビッグ・バンドや往年のジャズの魅力を伝えるなら、やはりコレが一番効果的なやり方と言える。

一方で、“角松って、歌い方変わった?” という声もチラホラ。それは自分も感じているが、変わった、というより、ビッグ・バンド編成に呼応して、ジャズっぽくライトに歌い流すようなスタイルにしているのだろう。そうした良い意味での軽さが、今回のツアーならではの魅力である。

そうした典型的なセレクトが、アンコール1曲目に爆発した。ツアー中は唯一アルバムからセットに組み込まれなかったエルボウ・ボーンズ&ロケッティアーズのカヴァー<A Night in New York>の初お披露目である。アルバムで歌っていた あんにゅ(コアラモード.)が序盤からコーラスで出たり入ったりしていたので、当然何処かで歌われると期待されたが、まさかココとは… しかもオーディエンスとの掛け合いもアリ。巷での80'sシティポップ熱再燃も重なり、もしかしてココへ来てサヴァンナ歌謡的アレンジがJポップに増えたりして…

アンコール定番<Take You To The Sky High>は、アルバムでのサルサ・ヴァージョン。紙飛行機が乱舞する中、一度アッサリと終了し、ブレイクあのあとは聴き慣れたいつものグルーヴで。そしてこれも定番<浜辺の歌>、そしてダブル・アンコール<Morning After Lady>は、ピアノとフリューゲル・ホーンでシットリと歌われた。

最後のMCでは、今年のこれからのライヴ予定、すなわち軽井沢でのTripod、音霊、そして“お前と俺 Vol.2” があり、来年はまた何か仕掛ける予定だとか。更にオリンピック・イヤーは潜伏し、2021年の40年周年に備える、という旨の発言があった。…ということは、純オリジナル新作は五輪中に構想を練って本格的な曲作りと制作、そして2021年にアニヴァーサリー企画と連動してリリースか?なんて、勝手気ままに想像してニヤニヤしている。

いずれにせよ、まだまだノンビリする気はないらしいので、ひとまず安心。引き続き、我々アラ還仲間の輝く星になってくれぃ〜

[ SET LIST ]
1. Lady Ocean
2. I'LL CALL YOU
3. Lunafairymiena
4. ANKLET
5. RAIN MAN
6. You're My Only Shinin' Star
7. RAMP IN
8. JUNE BRIDE
9. 港が見える丘
10. Lupin The YAMATO
11. Can't You See
12. Nica's Dream(with吉沢梨絵)
13. Have some fax
14. Gazer
15. AIRPORT LADY
16. SHIBUYA
- ENCORE -
17. A Night in New York(with あんにゅ)
18. TAKE YOU TO THE SKY HIGH
19. 浜辺の歌
- MORE ENCORE -
20. Morning After Lady