murata_do.pcan

16年2月に急逝した村田和人の、最後のニュー・アルバム『ド・ピーカン』を、発売から3週間すぎてようやくジックリと。しかも “ド・ピーカン” というには相応しすぎるほどの猛暑の日々。「あれーッ、ムラタ、少しやりすぎちゃったかなぁ〜」なんて言いながら、屈託なく笑う顔が思い浮かぶ。そう、このアルバムのジャケ写のように…。

遺作といえば遺作だけれど、豪華なラインアップを揃えて追悼するというより、いつもの顔ぶれで普段通りに。「アレ、どうしてムラタだけ出番が少ないの?」なんて言って、自分でブンむくれてる感じ。「そっかー、ムラタだけ、ひとりでこっちへ来ちゃったもんなー、みんな代わりにヨロシクね

アーティストの遺作というと、その方の代表曲を手分けしてカヴァーするオムニバス形式が一般的。でもこのアルバムは、村田さんが入院直前まで書き続け、亡くなる寸前まで完成を目指した楽曲を、残った仲間たちが遺志を引き継いで形にした。何せ当人は、歌詞のない初期デモを作っただけで、楽曲の多くの歌詞を見ぬまま逝ってしまったのだ。それこそ本人がデモ・ヴォーカルを遺したのは、<昭和の夏>わずか1曲である。

中心になったのは、病床でも詞のやりとりをしていた作詞担当の3人:安藤芳彦、田口俊、山田稔明(GOMES THE HITMAN)、演奏/歌は盟友:杉真理と山本圭右を中心とする村田バンドのメンバー(圭右・湯川トーベン・向山テツ・友成好宏・小板橋博司)たち、そして愛息:村田彼方やスタレビ:根本要。息をひきとる15分前に安藤から詞が届けられた<回航>は、コイタさんの歌に村田さんが乗り移っているようで、マジ鳥肌が立った。他の曲もヴォーカルは村田さんじゃないのに、すべてシッカリ村田印になっている。どの楽曲からも村田さんのニオイが伝わる。その感じを知っている人には、絶対聴いてほしいラスト・アルバムだ。

そうそう、もうひとつ、今週発売になる我らが Sparkling☆Cherry のニュー・アルバム『MIRAGE』にも、村田さんの最後の足跡のひとつが。メンバーのアレンジがうまくハマらず悩んでいたところ、ライヴで共演することになった村田さんが “らしい” アレンジを施してくれ、それ以来彼らのライヴ定番に。レコーディングに参加してくれる約束だったのに、勝手に雲の上へ行っちゃって反故になったのを、こちらも杉さんが形にしてくれた。8月には杉さんゲストでレコ発ライヴもあるので、詳細についてはこちらを要チェキ!