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今月25日に発売されたワーナーミュージック・ジャパン【新・名盤探険隊 紙ジャケ編】 AOR系5作品、最後の1枚をココにご紹介。…といっても、クリストファー・クロス 1st『南から来た男(邦題)』なので、ド定番作品の出し直し。拙解説も前回紙ジャケ盤の流用である。

ただし、日本でしか出ていないシングル曲<Mary Ann>をボーナス収録したせいか、前回12年盤は瞬殺で完売。その時はマイケル・フランクスやマンハッタン・トランスファー、アル・ジャロウなどを紙ジャケ仕様にして、結構な枚数を拙監修で出した。が、その中で一番売れたのが、このクリストファー・クロスの1枚目。いくらマニアが初CD化云々と騒いでも、結局定番強し!を実感したのを覚えている。

今回の再プレスに乗じて、久々にアルバム通して聴いてみた。記憶の中の音は、若干色褪せていた感があったけれど、それが聴き直してイキイキと蘇ったイメージ。定番というと軽く扱いがちになるが、やはり定番は定番と言われるだけのコトはあって、いつ何どき聴いても新鮮さを失なわない。当時 <Ride Like The Wind>のヒットの黒幕と言われたマイケル・マクドナルドを筆頭に、ドン・ヘンリー、J.D.サウザー、ニコレット・ラーソン、ヴァレリー・カーターのコーラス陣、ジェイ・グレイドンやラリー・カールトン、エリック・ジョンソンといったソロイストたち、そしてレニー・カストロやヴィクター・フェルドマンなどが参加しているが、ベーシックを固めているのは、デビュー前から一緒に活動してきた地元バンドの面々。そのあたり、無闇にセッションマンで固めず、クリスにやりやすい環境を与えたマイケル・オマーティアンのディレクションに拍手を送りたくなる。例えばコレが、ジェイやデヴィッド・フォスターのプロダクツだったら、ココまでのケミストリーは生まれ得なかったかも、と思ってしまうのだ。そのあたりを考えつつ、一度皆さんもジックリ聴き直してみることをオススメします。

なおボーナス収録した<Mary Ann>は、当時新人だったクリスが、ヤマハ世界歌謡祭にエントリーした楽曲。ジャケに映るタンバリンを持った女性は、当時ワーナー・グループのマスコット的存在だったニコレット・ラーソン嬢。

ちなみにクリスの最新作『TAKE ME AS I AM』は、ギターをフィーチャーしたヴォーカル・アルバムで、AORファンの評価はイマイチ。でも彼はソロとは別に新しいプロジェクトに関わっていて、こちらはなかなかの仕上がりになっている。何とか日本でも紹介したいところだ。