masaki matsubara_best

ビクター和フュージョン・シリーズのラストを飾るプレミアム・ベスト11作が、この7月25日に発売。その多くは過去に出たベスト盤の復刻(一部はボーナス・トラック追加収録)だが、ダイジェスト盤『BEST of BEST』と、故・松原正樹『THE BEST〜Victor Years』のみ新編成。その後者、松原正樹ベストの選曲・監修という大役を、私カナザワが担当させて戴いた。

名ギタリスト:松っつぁんのソロ作というと結構な数があるが、やはりハイライトは『SINPER』や『PAINTED WOMAN』を含む80年代のキャニオン時代ということになるだろう。もちろんパラシュートも、まさにこの時期である。しかしながら、松っつぁんにリーダー作を作る機会を初めて与え、また自身のレーベル:Rockin Chairと共に00年代の彼の創作活動の舞台となった aosis レーベルを擁したビクター時代もまた、松原正樹を語る上で忘れてはならない。

対象になったのは、盟友:今剛とのジョイント・アルバムを含む7枚のリーダー作と、aosis のハコバン的存在だった Garp の2作。更に aosis 人脈に関係が深かった企画レーベルの販促CDから、特別に2曲をピックアップし、ボーナス収録した。ラインナップは以下の通り。

1. マジック・マッシュルーム・サラダ from『流宇夢サンド』(78)
2. Approach from『TAKE A SONG』(79)
3. Ballerina from『TAKE A SONG』(79)
4. 流宇夢サンド from『流字夢サンド』(78)
5. All-n-All from『ALL-n-ALL』(01)
5. Moonlight Cruise from『TENDER HEART』(00)
6. Such A Good Thing from『ROAD MOVIE』(00)
7. Silly Crush from『acoustic age』(04)
8. Been from『acoustic age』(04)
9. Soyogi  from『THE GUITAR BROS.』松原正樹 with 今 剛 sittin' in(03)
10. Eye Shot from『THE GUITAR BROS.』松原正樹 with 今 剛 sittin' in(03)
11. She Needs Me from『midnight cowboy』(11)
12. Blue-sky-blue from『Buono! Cruise』(11) (ボーナス・トラック)
13. 星の羊たち from『Buono! Cruise』(11) (ボーナス・トラック)


<Silly Crush>と<Been>は、言うまでもなくキャニオン期がオリジナルだが、それをアコースティック・ヴァージョンでリメイクした aosis作品『acoustic age』からのチョイスとなる。

選ぶ際に気を使ったのは、松っつぁんのギタリストの資質、つまり、ギターがよく歌っている楽曲を選ぶということ。もちろん彼の曲はどれもそうだが、その中でも “らしさ” が伝わるように心掛けたつもりだ。どうぞ、松っつぁんが空の上で微笑んでくれてますように…。

あ、そうそう、7月にはもう1枚、松っつぁんを偲ぶアルバムが出ている。『KNOCK! KNOCK! 〜 岩沢幸矢、松原正樹を歌う』というものだ。これは、パラシュートのメンバーで作詞家でもある安藤芳彦が、松っつぁんが遺した珠玉のインスト曲に詞をつけ、プロデュースしたもの。それを歌うのが、ブレッド&バター岩沢兄弟の兄:幸矢。2人は、ブレバタのアルファ期名盤をサウンド・プロデュースしたのが松原で、aosisでもレーベルメイトとして幾度となく共演した仲だ。これも内容が素晴らしいので、後日、改めて紹介したい。

松原正樹が逝って早2年半。彼のギターは、まだ耳の奥で流麗に鳴り続けている。