lorelei

中山美穂、小泉今日子、南野陽子、原田知世、杉山清貴、スターダスト・レビュー、プリンセス・プリンセス、光GENJI、Crystal Kay、ゴスペラーズ、稲垣潤一等などにヒット曲を書いてきた作詞家:田口俊。最近では村田和人の遺作『ド・ピーカン』での活躍ぶりが鮮烈だったが、その田口の業界デビューとなったのが、80年にデビューした4人組ローレライ。その2ndアルバム『テレフォン・ゲーム(TELEPHONE GAME)』(81年)が、初CD化となっている。

デビュー・アルバム『KILLER LINE』は、Loudnessの前身であるレイジーみたいなアイドル・ロック。しかしそれが不発で、この2作目は当時のアメリカン・ロック寄り。有り体に言えば、もろ産業ロック風の作りになった。モデルは差し詰めジャーニーあたり。アルフィー<マリーアン>といっては身も蓋もないが、時期は当然ローレライの方が2年近く早い。そしてその中に、よりAORっぽいテイストを振りまく 知られざる名曲が隠れている。

<「卒業」のあとでは>、ドラマチックなエンディングで知られる名画『卒業』をモチーフにした、作詞家:田口の才を知らしめるナンバー。アカペラで始まるメロウ・ミディアムで、故・須藤薫とのデュエット。杉真理もハーモニーをつけている。増刷なったガイド本『Light Mellow 和モノ Special』に本作を掲載したのも、この曲があったればこそ。15年発表『Light Mellow NEON NIGHTS』への収録が、この曲も初CD化だった。

もう1曲のオススメが、ドゥービー調の鍵盤リフが展開をリードし、そこに分厚いハーモニーが乗っている<涙のサマーブリーズ>。でもコレ、どちらかというと、ドゥービーを引用したロビー・デュプリー<Steal Away>を又借りしたニュアンス。“あぁ、やっぱりみんな好きだったのネ” という同胞意識もあって、思わず微笑んでしまう。今にして思えば、産業ロック風アレンジは戦略で、メンバーの本音はウエストコースト風のコーラス・ワークにあったかも。

結局ローレライは本作を最後に解散するが、田口はその前から松任谷正隆に請われ、須藤薫や麗美に詞を提供。バンド解散後は、本作にも手を貸している堀口和夫とのユニット:REICOで2作を出し、難波弘之SENSE OF WONDER、小柴大造とWATER CLUB BANDにも名を連ねた。

販路限定とはいえ貴重なリイシューなので、どうぞこの機会をお見逃しなく。購入は、ソニー・オーダーメイド・ファクトリー。 あるうちに買うときや〜