natsusummer live

流線形クニモンド瀧口氏の紹介でアマチュア時代からご縁があったナツ・サマーちゃん。彼女の初めてのバンド・アルバム『NATSU SUMMER & DUB SENSATION』のリリース記念ワンマン・ライヴ:ONE NIGHT DUB VIBRATION @青山 月見ル君想フ 20:00pm〜 に参戦。いろいろなDJイベントに顔を出したり、合間にアルバイトしたりでとっても顔が広くて頑張り屋のナツ・サマーちゃんゆえ、客席には知った顔がたくさん。それこそミュージシャン、音楽関係者はもちろん、彼女の7インチのイラストを描いたN画伯まで、みんな応援団よろしく、彼女を観に来る。スタート前には人を掻き分けないと移動できないほどの盛況ぶりで、エアコンもロクに効かず、ある意味レゲエにはピッタリの環境。もしかして、コレって狙ってるの〜

今回バックを務めるのは、彼女のプロデューサーであるクニモンド氏と流線形の一部メンバー+アルファ。でもそのアルファの布陣が実はキモで、かなり珍しい女性スティール・パン奏者と、立派なカイゼル髭のサックスがイイ感じで雰囲気を盛り立てた。そしてもうひとり、PAエンジニアとして参加した jagabe のダブ・サウンドが、最後のキメ手だったかも。

そもそもレゲエを本気でプレイするのは、日本人には至難の技。譜面的にはなぞることができても、あのキレッキレのグルーヴ感は出てこない。日本人が演ると、どうしても8ビートや16の裏を刻む体(テイ)にしかならないのだな。それは先日、イベントでご一緒した小林泉美(ミミ)さんも仰ってたこと。ロンドン経由でカリブやキューバ音楽を研究された本格派クリエイターにして、そうなのだ。だからそれを敢えてホンモノに近づけるのではなく、“ナンチャッテ なのだ” と開き直って、遊び心満載で提示するのがクニモンド氏/流線形の面白さである。そのレゲエ版がナツ・サマー。言い換えれば、“こんなのレゲエぢゃねぇ” と口角泡を飛ばすのはチャンチャラ可笑しいコトで、レゲエのビートを使ったポップスとしてお気軽に楽しむのが正解だ。詰め掛けたオーディエンスの多くも、それをシッカリわきまえていた。

普段はオケを使ったり、小編成でのライヴが多いナツ・サマーちゃん。以前、Sparkling☆cherry のレギュラー・ライヴで小1時間歌った時に、「初めてのバンド・ライヴ」と言っていたから、自分が看板を張ってのワンマンはコレが初めてだろう。最初はやや緊張気味だったようだけど、肝っ玉姐さんなのか天然なのか、すぐに自分のペースを掴み、心地良さそうにゆらゆらと、『〜 DUB SENSATION』からの新曲にこれまでの楽曲を混ぜ合わせて歌い進んだ。

決して歌の巧さで勝負するタイプではない。けれど、バンドを従えても歌が埋もれず、涼しげな声が通って耳にスンナリと入ってくる。隙間や空間が多いのがレゲエの特徴とはいえ、バンドの中でもこんなにも歌声がピ〜ンと立つとは意外な収穫。もしかして、天性のポップ・ヴォイス、なのかもね。

いま雨後のタケノコの如くシティ・ポップス勢が出てくるけれど、その中でも確実に個性を築いて一歩リードしている感のナツ・サマー。既にノン・レゲエの楽曲もあったりして、そのシグネイチャー・スタイルとの間の取り方が今後のポイントになってくるだろう。それでもナツは毎年やって来るし、それがまた楽しみでもあるのだ…