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73年にアラバマ州バーミングハムで結成された6人組、HOTEL。そのまま検索しても絶対にヒットしてこなそうな 極々当たり前のバンド名の連中だが、クリストファー・クロスのデビューより ひと足早くジャケにフラミンゴをあしらっちゃったりして、ちょっと捨て置けない存在。それがビックリ、何と欧リイシュー・レーベル:Rock Candyから、彼らが発表している2作が同時に初CD化された。

デビューは結成から数年経った78年で、シングル<You'll Love Again>は全米71位。翌年1stアルバム『HOTEL』を発表し、そこからのシングル2枚もチャート・インしている。つまり、それなりに期待できるデビューだったワケだ。そして80年早々に、第2作『HALF MOON SILVER』を出し、またしてもタイトル曲をチャートへ。この2ndは前作以上にAOR感バリバリのナイスなアートワークだったが、どうにも後が続かなかった。直接の契約先はレーベル昇格前のScotti Bros.で、発売は大手MCAから。でも成績は思うように伸びなかった。もしかして、この手に長けたスタッフがいなかったのだろうか。

とはいえ音は王道AORではなく、産業ロックとAORの中間的スタイル。ジャーニーだのフォリナーだのスティクスだの…という売れセン産業ロックほど大風呂敷ではなく、代わりにAOR風の哀愁味を流し込む。そこそこキャリアを積んでからのデビューなので、ツイン・ギターにツイン・キーボードという豪華編成にも浮っついた音はない。ブックレットのグループ・ショットを見てもあまり若々しさはなく、見事なオッサンもいたりする。2本のギター・アンサンブルは、時にボストン風(特に2nd)。リード・ヴォーカルはちょっぴりスティーヴ・ペリーっぽいかな。

特に売りになりそうだったのが、全員が歌えること。アルバムを聴いても、彼らの厚みあるハーモニー は魅力的だ。楽曲もそこそこ良いが、このコーラスを活かせるミディアム〜スロウ系キラー・チューンが欲しかった。全体的にソツなくまとまっているけれど、ちょっとインパクトがないのヨ。だから当時は小ヒット止まりで、時代の壁は越えられなかった。そしてそれがココへ来て地味に再評価、という流れも分かる気がする。個人的には、AOR CITYシリーズで陽の目を見た、カナダのストレート・ラインズを思い出してしまうな。

当時はTOTOやリトル・リヴァー・バンド、アトランタ・リズム・セクション、シー・レヴェルらとツアーを回っていたそう。南部バンドらしく、ル・ルーやF.C.C.とのジョイント・ライヴのチケットがブックレットにあしらわれている。内容的には1stの方がAOR寄りで、2ndは若干産業っぽいか。でもクオリティはドッコドッコイなので、この際あるうちに買うときや。