yoshitaka minami 018

午後イチ(実際は2時からだけど)で有意義なミーティングをこなし、その足で日比谷へ向かってインタビュー。お相手は大物:南佳孝さんである。これまでにもライヴの時など何度かご挨拶をしているが、一対一の face to face は意外にも初めて。開始直後は少しよそよそしかった佳孝さんだが、話していくうちにカナザワの素性や共通の知り合いが多いことがお分かり戴けた様子で、終盤はぶっちゃけトークも飛び出し、ニコヤカに取材を終えることができた。

これはその佳孝さんが来週リリースする、デビュー45周年記念のニュー・アルバム。『Dear My Generation』なるタイトルからも分かるように、むかしから佳孝さんの歌に親しんできた世代を中心にしつつ、最近のファンともコミットしたい、という思いが込められた作品だ。メディア向けの紙資料には、「いつもよりロックしていて やんちゃ」「いつもよりオトナしていて、人生感じる」「いつもより豪華にハモって…」というキーワードが並んでいる。

編曲/サウンド・プロデュースは、井上鑑、森俊之、住友紀人、そして The Renaissance (小原礼&屋敷豪太)の4組。“いつもより やんちゃ” なのは、ザ・ルネサンスの2人が3曲に絡んでいるからで、ロックン・ロールした大人の悪ふざけが堪能できる。何ってたって、その3曲中2曲でフィーチャーされるのが斉藤和義。更に<はないちもんめ>では、 Char まで乗ってきちゃうんだから…

一方、ゴージャスな質感を編み出すのは、近年のバック・バンドを仕切る住友紀人アレンジの楽曲で、楽曲によってはトミー・リピューマ制作の作品群に通じる品の良さ。<トキメイテ>でフィーチャーされるのは、何とビックリ太田裕美だ。イベント・ライヴでは時々顔を合わせる間柄なから、マトモなデュエットは今回が初めて。声も舌足らずの歌い口も昔のままで、そのユニークさが佳孝さんとマッチするのか?と思ったが、聴けば結構面白く。濃厚な密着感はない代わりに、分別のあるオトナたちが戸惑いながら演じている、付かず離れず距離感を思わせる歌だ。

先行シングルになっている井上鑑の楽曲はどうにも彼の世界観だし、森俊之が手掛けた曲にはほのかな懐かしさが漂う。

結果、佳孝さんの作品にしては、右から左まで ズズズイーッと幅を広げた風情の、周年記念にふさわしいアルバム。タイミングよく、73年のデビュー・アルバムで、松本隆の初プロデュース作品として知られる『摩天楼のヒロイン』も、この8月にリイシューされたばかりだ。

ただし10月に控えるライヴは、あまり気張らずに楽しんでやりたいそう。まずはライヴとニュー・アルバム、要チェックだ。

南 佳孝 45th Anniversary Live 〜Dear My Generation〜@BILLBOARD LIVE TOKYO
(名古屋・大阪も11月にアリ)