tatsuro_performance2018

都内もハズれ、地元もハズれ、今回のツアーは遂に観られないのか…、と諦めかけていたら、首都圏最終となる川崎公演:カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)2days の2日目に滑り込みセーフ。全49公演中47本目なので、バンドのデキはまさに最高潮である。このホールは、まだ昨年オープンしたばかりだそうで、ウッディな内装が気持ち良く、音も良さそう。横浜の県民ホールよりは小振りながら、今後タツローさんの神奈川公演では使い分けもアリそう、なんて思った。当人が「お気に入り:というステージ・セットは、港湾地区の倉庫街のイメージ。客入れのBGMは、いつものように『DOO WAP NUGGETS』の原型となった当人セレクトのオールディーズだ。

オープニングは定番の<Sparkle>。MCでも語っていたが、タツローさんはツアーごとにセットリストを大きく変えることはせず、基本的な流れは毎回同じ。前半はバンドをフィーチャーしてメンバーの演奏力で最初のピークへ持っていき、懐かしのオールディーズ・ヒットで場を和ませた後、バラード・コーナーを挟んでアカペラ・セクションへ。アカペラ明けはお決まりの<Christmas Eve>で、そのままバラード・ヒットを繰り出し、終盤の盛り上げへと繋いでいく。

今回のポイントは、シュガー・ベイブ時代のレパートリーを、当時のアレンジのまま盛り込んだこと。シュガー・ベイブ時代のベース奏者:寺尾次郎の逝去を受け、追悼の意味でのチョイスだったが、変に湿っぽくならず、オブジェクティヴに扱っていたのがタツローさんらしかった。でもその一方で、彼自身の死生観を語り、サントラ曲<Reborn>へ導く場面も。<Oh, Pretty Woman>は、彼のアイドルの一人でもあるロイ・オービソンのカヴァーだ。

幸運なコトに、ツアー再開後のステージは必ず一度は観ることができているので、個人的には特段新しい発見などはない。ただ本人が語っているように、65歳にも関わらず歌声はどんどん出るようになっていて、ライヴ・パフォーマンスとしては今が最高と言える。しかも今回のセットリストは、長いキャリアを俯瞰した上でバランスよく楽曲をセレクトした印象で、売れない頃からのファンも若いファンも、充分楽しめる内容だった。

何もかもが移ろい行く今の世の中で、普遍なるモノものの魅力と重要性を教えてくれる。それていてマニア心をくすぐったり、時代の空気に目を配ることも忘れていない。トレンドセッターの対極に位置するコンサバ系オピニオン・リーダーとして、タツローさんの存在は重要なのだと思いを新たにしたライヴだった。

 [ Set List ]
1. Sparkle
2. 新・東京ラプソディー
3. Music Book
4. あしおと
5. Windy Lady
6. Down Town
7. Solid Slider
8. Oh, Pretty Woman
9. Reborn
10. シャンプー
11. Blue Velvet
12. おやすみ、ロージー -Angel Babyへのオマージュ-
13. クリスマス・イブ
14. 希望という名の光
15. ずっと一緒さ
16. 今日はなんだか
17. Let's Dance Baby
18. ハイティーン・ブギ
19. アトムの子
20. Loveland Island
-- Encour --
21. ミライのテーマ
22. Ride On Time
23. 恋のブギ・ウギ・トレイン
24. ラスト・ステップ
25. Your Eyes