special jam co (1)

スペシャル・ジャム・カンパニー with 酒井俊 のワン&オンリー作、【Light Mellow和モノ】括りで個人的待望の初CD化実現 拙監修のディスク・ガイドには以前からシッカリ掲載していたが、アルバム自体が珍しいからか、あまり話題にならずにココまで来てしまった。でもクロスオーヴァー好きにはマストな内容だし、グループの出自を知れば、シティ・ポップ・ファンが興味を持つこと請け合い。大袈裟に言ってしまえば、デビュー前の竹内まりやが歌っていたことで知られる『LOFT SESSIONS vol.1』の裏作品、としたって過言ではないかも…

スペシャル・ジャム・カンパニーの主要メンバーは、山岸潤史(g)、緒方泰男(kyd)、田中章弘(b)、上原裕(ds)、沢井原児(sax)、ペッカー(perc)ら。そこにゲストでジャズ・シンガーの酒井俊が乗っかる。結成はアルバム制作の2年ほど前の77年。東京・高円寺にあるライヴ・ハウス:次郎吉(現・Jirokichi)で行われた、吉田美奈子セッションだった。首謀者は本作プロデューサーでもあるサックス奏者:沢井原児。当日は40分ほどのセッションで終わる予定だったのに、全員がノリまくって2時間近く演奏し、「これからもセッションを続けていこう」ということで、グループが結成された。

その後のライヴは下北沢ロフトへ場所を移し、シンガーにはソロ・デビュー直後の山下達郎にバトンタッチ。レギュラー・メンバーも、スケジュールによって元ファニー・カンパニーの西哲也(ds)、ラスト・ショウの徳武弘文(g)、今年6月に亡くなった元シュガー・ベイブの寺尾次郎(b)などに、その都度入れ替わった。山岸は本作ではスペシャル・ゲスト扱いだが、これはおそらく契約上の問題。楽曲提供に加えて全曲でギターを弾くなど、実際の貢献はかなり大きい。

シンガーも本来は達郎か美奈子を起用したかったところだろうが、そこは共にソロ契約がある身。そこで融通の利く実力派:酒井俊に白羽の矢を立てた。彼女は77年のデビュー後、渡辺香津美やミッキー吉野、竹田和夫、カルメン・マキらが集ったセッション作『KALEIDOSCOPE』に参加。79年にはYMO結成直後の坂本龍一をアレンジに迎えた3作目『MY IMAGINATION』を発表している。特にジョニー・ブリストルの<I Love Talkin’ ‘Bout Baby>をテクノ仕掛けのモダン・ファンクにリメイクしたのがハンパないカッコ良さで、少し前に拙監修で7インチも出した。

このアルバムでも、酒井が歌っている疾走のサンバ・グルーヴ<Indian Summer>が屈指のキラー・チューン。沢井と緒方によるアレンジが心地良く、エモーショナルなヴォーカル、ホットなギターで多いに盛り上がる。それゆえ、スケール感のある山岸作のインスト<Sea Born>とのカップリングで、先行7インチを切ってしまったほど。

他にも、スタンリー・クラークを髣髴させるロック・フュージョン<Walking Along The Street>、沢井のサックスとホーン・セクションが活躍するファンキー・ミディアム<City Vibration>など、好チューン連発。この78〜79年は田中・上原のコンビが達郎バンドのボトムを支えた時期で、ここでもその素晴らしいグルーヴが堪能できる。アルバム完成後、酒井が渡米してしまったため、本格的活動ができなかったが、時代の狭間に埋没していたアルバムが晴れてCD化されたのが嬉しい。

special jam co_7%22シングル『インディアン・サマー』