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これもご紹介が遅れたネタ。<Oh Lori>や<All For The Reason>といったヒット曲で知られる美形双子デュオ:アレッシー(ブラザーズ)の、2018年最新作。ディスクユニオンのThink! レーベルから、拙執筆によるライナー付きの輸入盤国内仕様で、9月にリリースされている。

ビリー&ボビーのアレッシー兄弟が表舞台から姿を消したのは、84年頃のこと。82年にクインシー・ジョーンズ主宰のクエスト・レコーズからクリストファー・クロスのプロデュースで発表した『LONG TIME FRIENDS(邦題:そよ風にくちづけ)を出したあと、人気映画『ゴーストバスターズ』のサントラ盤に<Savin’ The Day>を提供したのが最後だ。兄弟だから解散したわけではなかったが、裏側に回って主にCM音楽制作で活動を続け、ケンタッキー・フライドチキンやダイエット・コーク、セヴン・アップなど、日本でも名の通った商品のCMを多数手掛けていた。

その後00年になって、デビー・ギブソンの新曲を手掛けたことをキッカケに、アーティストとしての活動を再開。自主制作ながら、ライヴ盤を含む4枚の作品を送り出した。更に2人は08年に、アレッシー以前に揃って参加していたバーナビー・バイをリユニオン。ペピー・カストロ(元ブルー・マグース、後にバランス)を手を組んで、『THRICE UPON A TIME』を出した。00年以降のアレッシーは、長いブランクを埋めるべく積極的な創作活動を展開していたといえる。

でもこの新作『WATER』は、実に6年ぶり。どうしてこうも時間が空いたかは分からないが、久しぶりだからといって新機軸を打ち出すコトなく、作風も、若干チープな打ち込みも、ほぼ従来通り。今ドキもっと気の利いたプログラムができるだろう、と思ってしまうが、コツコツと作り溜めてきたのか、サウンドメイクに大きな変化はない。でもそもそもアレッシーのウリは、哀愁のメロディと透き通った歌声、繊細なハーモニー。だから音作り云々とは別の次元で、時を超越して楽しめる普遍的魅力がある。ハートフルなメロディに悶絶させられる<Kiss>、中期ビートルズ風の<Life's A Cliche>やモロにジェフ・リン〜ELOサウンドの<Zombie Love>、クールでアラン・パーソンズを髣髴させる<On The Water>、美メロ・バラード<No Way Out>あたりはまさにそうで、往年のアレッシーを知る方はすぐに馴染んでしまうだろう。

さすがにチャカポコのダンス・チューン<Let It All Out>には意表を突かれるが、これはフランキー・ヴァリへのリスペクトを籠めた楽曲だから。アレッシー兄弟の4作目『WORDS & MUSIC』(79年)は、元フォー・シーズンズの主要ソングライター:ボブ・ゴーディオがプロデュースしていたから、フランキー・ヴァリを描いたミュージカルや映画『JERSEY BOYS』の成功に寄せたのかもしれない。兄弟の若々しい歌声と作曲センスは今も輝いているから、もう少し浮上してきて欲しいところだ。

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