dave lewis

韓国再発レーベルBig Pinkでの待望の世界初CD化が、VIVID SOUNDで展開している【Light Mellow's Choice】で国内流通実現。デイヴ・ルイスといえば、"英国のザ・バンド” と称されるアンドウェラを率いたシンガー・ソングライターだから、UKスワンプのファンは彼がAORと呼ばれることに違和感を覚えるだろう。でもクリス・レインボーやジョン・マイルズがAORでOKなら、このデイヴ・ルイスだって!と思う。

とりわけこの78年盤は、録音がマイアミのクライテリア・スタジオ。参加ミュージシャンの多くも、無名ながら米南部を拠点とするセッション・マンたちだ。こうしてベーシックをフロリダで録り、ロンドンに戻ってからダビングとミックス、マスタリングを行なったようだから、それだけソフィスティケイト度が上がっている。ジャケに写るデイヴも、まるで銀幕から飛び出したようなイケメンだし…。

CDをスピンさせると、すぐさま流れ出すドリーミーなハーモニー。追うように聴こえてくる少しハスキーな歌声は、まるでビル・ラバウンティだ。一瞬のブレイクからグルーヴィーなリズムが入ってくると、いきなりのキラー・チューン<Lets Stay Right Here Forever>の始まり。ハッキリ言って、この多幸感溢れる心地良いノリに反応できないAORファンは、ココで帰ってヨシ 長尺ギター・ソロもまた実にエモーショナルでゴキゲンになれる。

もうこの1曲だけでゲットする価値アリ、だが、穏やかなピアノで始まるスロウ・チューン<Late Show>、煌びやかなギターに導かれるファンキー・ミディアム<Go All Out To Get It>もなかなか。後半にもグルーヴィー&タイトなアンサンブルの<Lucy Took A Ride>、トロピカル・ムードの<Beautiful Woman>、パッショネイトなデイヴのヴォーカルとゴスペル・テイストのハーモニーが牽引する燻し銀のスロウ・ナンバー<A Woman Like You>など、好曲が多い。デイヴの歌も時折ジョー・コッカー風になるし、曲によっては引っ掻くようなスライド・ギターも聴けて、マイアミ録音ならではの明るくリラックスしたファンキー・テイストとブリティシュ特有の重厚感が、程よいバランスでミックスされている。クリス・レア好きも、是非ご一聴あれ。

そういえば、クリス・レインボーが制作した76年の2nd『FROM TIME TO TIME』も、紙ジャケでCD化されています。