poor vacation

例年になく余裕のある年末。仕事納めに当たる年内最後の執筆入稿は、2週間ほど前にインタビューした都市型ポップ・ユニットのニュー・カマー:Poor Vacation の記事。掲載は年明けなので詳細は控えるけれど、中心メンバーはズブの新人ではなく、昨今のシティ・ポップ・ブームに乗って出てくる若い連中みたいに浮ついていない。シーンを俯瞰できるオトナのリスナーにこそ、シッカリ訴求したいグループなのである。

そもそもこの Poor Vacation だが、いろいろなバンドを仕掛けてきたギター/ソングライターの楢原隼人のソロ・プロジェクトとしてスタート。ライヴに向けてサポート・メンバーを募って活動していたが、その関係が濃密になり、バンド・スタイルに進化してデビューした。テクノロジーの普及により、ワンマンないしは少人数フォーマットの宅録プロジェクトが増える中、それに逆行するようにグループへ拡大したというのが興味深いし、“メタな感じが好き” という楢原の指向性を象徴する気がする。名前が Poor Vacation なのに、ジャケはバブリーで バスタブの周りに観賞植物、それが彼の表現スタイルなのだ。

実際に音を聴くと、シティ・ポップやAORを中心にしつつ、ネオ・アコやライト・ファンク、80's ブギー、そしてほのかなラテン・テイストなど、幅広いバックボーンが透けて見える。もらった紙資料やネット情報では、プリファブ・スプラウトやブルー・ナイル、それにデイム・ファンクあたりを意識したとある。が、カナザワが強く感じてしまったのが、ラー・バンドからの強いインフルエンス。ビートルズやポール・マッカートニーのアレンジャーとして活躍したリチャード・ヒューソンによる、シンセ系ポップ・ファンクのユニットだ。インタビューでそれを指摘すると、やっぱり大正解。「グループを始める時に自分でイメージしていたアーティストが、プリファブとデイム・ファンク、ラー・バンド」とのこと。そのエアリーな雰囲気は、星野みちるのプロデュースなどで手腕を発揮するサウンド・プロデューサー:佐藤清喜のユニット、マイクロスターにも通じる。打ち込みとナマ演奏をミックスした柔軟なサウンド・メイクも、今様のグループらしいところだ。

年明けに記事がオープンになれば facebookにて案内させていただくが、プリファブ、デイム・ファンク、ラー・バンドの掛け合わせにピ〜ンと来た方は、今すぐにポチッっと。