faragher bros

昨日のPLEASE に続き、VIVID SOUNDで展開中の【Light Mellow's Choice】から、今度はファラガー・ブラザーズの76年1st、18年ぶりのリイシューを。通称イエロー・アルバム。もちろんコレも韓国プレスによる直輸入国内流通仕様の紙ジャケット盤である。

ファラガー兄弟の作品は、ファラガーズと改称してのアルバムを含めると、全部で4枚。洗練されている、という意味で最もAOR度が高いのは3枚目の『OPEN YOUR EYES』(78年)だが、兄弟らしさが発揮されている点で一番のオススメは、この1st だ。とりわけブルー・アイド・ソウル好きやレア・グルーヴ方面からAORに入った人には、本作を真っ先に聴いてほしい。

ダニー(vo, kyd, g)、ジミー(vo, kyd)、トミー(vo, kyd)、デイヴィー(b)の4人兄弟のうち、上の2人は、まだ17〜18歳だった65年に、The MarkVという6人組ダンス・コンボで初レコーディングを経験している。このバンドはその後名前を変えながら進化を遂げ、66年にペパーミント・トローリー・カンパニーとしてデビュー。スマッシュ・ヒットを飛ばし、更にボーンズへと発展する。この頃プロデューサーのリチャード・ペリー、その手下であるヴィニ・ポンシアと知り合い、彼らの下でアルバムを作ったが、大した成果を上げられず、バンドは自然消滅。そこでダニーとジミーが成長した弟たちを誘って組んだのが、このファラガー・ブラザーズだった。

ボーンズ時代はファンキー・ロックと呼ぶに相応しいサウンドだったが、ファラガー・ブラザーズではトミー加入によるヴォーカル・パートの充実とジャズ・テイストの導入、そしてデイヴィーのベースがもたらすバネの利いたグルーヴが特徴に。ジックリとリハーサルを重ねたらしく楽曲クオリティが高いうえ、アルバム・トータルのバランス感がイイ。フロア人気のキラー・チューン<The Best Years Of My Life>、メロウ・ミディアムの<Never Get Your Love Behind Me>、軽快なシャッフル<Go Where We Want To>、ボッサの<Never Felt Love Before>あたりが特に美味だ。インプレッションズ<It’s Alright>は少しイナタい出来だけれど、彼らのルーツを示しつつ、自前のハーモニーをアピールしている。実際彼らはペリーやポンシア絡みのセッションに、コーラス隊として起用されることが少なくなかった。

80年代には解散状態になってしまったファラガーズだけれど、トミーがソングライターに転身し、ロビー・ネヴィルやパティ・オースティン、テイラー・デイン、ジェレミー・ジョーダン、セリーヌ・ディオンらに楽曲提供し、ソロとしてもサントラ盤『STAYIN’ ALIVE』に参加したのは、AORフリークには有名だと思う。でも一番活発なのは、ジョン・ハイアット・バンドやエルヴィス・コステロ&ジ・インポスターズでベースを弾いたデイヴィー。最近ガンを克服して復帰を遂げたコステロ&ジ・インポスターズ名義の新作『LOOK NOW』では、デイヴィーだけでなくトミーまでがコーラスで参加していて、思わずニヤリとしてしまった。