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年が変わる前に、【Light Mellow's Choice】12月発売分から最後の1本。かのジョン・ヴァレンティが在籍した7人組パズルの2nd、国内流通仕様紙ジャケット再発を。これまでに名曲<My Love>をコンピ盤『 Light Mellow 〜AOR Groovin' & Breezin'〜 Universal Edition』(00年)に収めたことがあったが、フル・アルバムの復刻は今回の日本流通盤を供給している韓国Big Pink盤が初。日本リリースはコレが初めてとなる。

元々が74年発売の作品なので、内容的には、プレAOR的な要素を多分に含んだクロスオーヴァー・グループとするのが正しいところ。白人バンドなのにモータウンからデビューなのが如何にもそれっぽいが、ホーン・セクションを擁する大型グループだから、やはり初期シカゴと比較すると分かりやすい。しかもグループ結成の地も、同じくシカゴ。とりわけ、最初はジャズ・アルバムの制作を意図していた実験色の濃い74年作『CHICAGO VII(市俄古への長い道)』あたりに近いか。きっと時期の符号も偶然ではないだろう。モータウンもポスト・シカゴを狙わせたようで、かなり積極的にパズルを支援していたらしい。

それでも一番輝くのは、ジョン・ヴァレンティのヴォーカルと曲作り。シカゴにはピーター・セテラにテリー・キャス、ロバート・ラムと3人のシンガーがいたが、パズルはジョンひとりなので、どうしても限界がある。オマケにジョンはドラム兼任なので、ライヴでは余計に制約があるワケだ。その補強の意味か、1作目は6人編成が、この2枚目ではホーンを増やした7人編成になっている。ストリングスのアレンジは、ジャズ・ピアニストであり作編曲家/プロデューサーとしても知られるボビー・スコット。ジャズ系AOR好きには、76年作『FROM EDEN TO CANNAN』を愛でている方もいるだろう。

カナザワのリコメン曲は、前述<My Love>を筆頭に、先行シングルになったポップ・チューン<Mary Mary>や、もろシカゴ風味の<N.Y.C.>など。結果的にヒットは出なかったが、実は3枚目のレコーディングも行なっていたらしい(完成したかどうかは不明)。その後ジョンはスペンサー・デイヴィス・グループのヒット<Giime Some Lovin’>のカヴァーや、自身の書き下ろし<Machines>を Raintree なるローカル・レーベルから7インチ・リリース。そして新レーベル:Ariola Americaとソロ契約し、かの名盤『ANYTHING YOU WANT』を制作する。

ちなみに最近アナログ・シングルで復刻されたタイトル曲<Anything You Want>は、後にAriola Americaのレーベルメイトになるチャカ・カーンの妹タカ・ブーンがディスコ・カヴァーしている。興味のある方は是非チェックを。