culver kings

年末にデスク脇の未聴CDの山を整理した時に、その中から掘り出した一枚。再発で中身が分かっていれば、そのままラックに収納するが、これはジャケットを見てもグループ名を見ても、何者か分からない。アートワークでメロディック・ロック系なのは推察できるものの、それだけなら購入しないはず。何か理由があってポチッたと思うが、その記憶がないのだ。ヤベぇ〜、いよいよボケたのか、自分ッ

そこでCDをかけながらクレジットを見て、ようやく謎が解けた。これ、L.A.の人気セッション・ギタリストであるマイケル・トンプソンが組んだプロジェクトで、16年に人知れずCDが出ていたモノ。ゲットしたのは確か、17年の年末か去年の頭ころ。当時のAOR AGE誌に掲載されたマイケル・トンプソンのインタビューでも、このカルヴァー・キングズにはまったく触れられていなかった。

でも音を聴くと、ロクに期待してなかった分、予想外に良くてビックリ アートワークは確かにメロハー(メロディック・ハードね)しているが、実際はかなりポップで、楽曲的にはむしろ産業ロック寄り。そこにアグレッシヴなギターが乗ってくる感じなのだ。

マイケル・トンプソンといえば、マイケル・トンプソン・バンド名義の1st『HOW LONG』も、チョッピリ不思議なアルバムだった。AORと呼ぶにはロック色が強いのに、押しは全然強くなくて、さっぱり爽快に聴き流せた。何か汗臭くないロック・アルバム、という気がした。それはこのカルヴァー・キングズも同じ。ジプシー・キングスじゃないが、スパニッシュにエッヂィなエレキ・ギターの咆哮が乗ったりして…  他にもマイケル・ジャクソンの<Beat It>をポップ・ロック・ベースに摺り替えた感覚の曲や、<Billie Jean>風のリフを持つナンバーもあって、アーリー80'sのテイストが強い。しかもアルバム後半はミディアム〜スロウ・チューンが増え、メロウ度が上昇。自ずとAOR指数が高くなる。

そこでチェックすると、マイケル・トンプソンの相方を務めるビリー・トゥルーデルは、元々マイケルとバンドを組んでいたシンガーで、マイケル・トンプソン・バンドにもバック・コーラスで参加している。その後マイケルとの友好関係を保ちながら、断続的にセッション活動を行ない、エルトン・ジョンやフリオ・イグレシアス、ジョン・パー、マーク・ジョーダンらのアルバムにクレジットされた。聴けばスティーヴ・ペリーの影響が強く、バラードで特に実力を発揮する。プロダクツは完全に2人で作っているらしく、バックは打ち込みだが、そこはほとんど気にはならない。マイケル・トンプソンのギターは、出番が来ると縦横無尽に弾きまくるものの、ヴォーカル部分では時折オブリを被せてくる程度で、敏腕セッションマンらしく抑制の効いたプレイ。最終的に耳に残るのは、楽曲の良さとビリーのヴォーカルなのだ。

リリースから既に日が経っているので、ショップを選べばチープ・プライスで購入可能。聴かないのは損だゼよ。