whiney

ホイットニー・ヒューストンのドキュメンタリー映画『WHITNEY』を相方と鑑賞。最近は メガヒットを記録しているクイーン『BOHEMIAN RHAPSODY』を筆頭に、エリック・クラプトン『LIFE IN 12BARS(12小節の人生)』とかレディ・ガガ主演『アリー/スター誕生』、日本でも竹内まりやのシアター・ライヴ『souvenir the movie』があったワケで、何やら音楽系映画のヒットが続いている。ガガのはまだ観ていないけど、この現象って何ですかね? ネット中心で 大物もクズも一緒くたの玉石混交時代になって、誰も文句が言えない究極のスーパースターが求められている、ってコトなのかな? クイーンの異常人気ぶりを見ていると、ヒーローのフレディは逝っちゃってても、他のメンバーが健在で有無を言わせぬ形でトリビュートできる図式が、実はキモなんじゃないか、と思えてしまう。クイーンは観られてもフレディはいないという、夢と現実の狭間にいることが、ファン心理を煽る背景にあるワケだ。

そして、このホイットニー。『BOHEMIAN RHAPSODY』がドキュメンタリー・タッチながらも 都合良くフィクションを絡めて、復活〜絶頂期のクイーンを映し出してポジティヴに終わるのに対し、こちらは死の真実に迫る本当のドキュメンタリー。彼女の晩年やその死に様を考えれば、自ずとヘヴィーなエンディングになるのは予測できた。ドキュメンタリーとして優れていればいるほど、結末の虚しさが募る。

ホイットニー・ヒューストン財団公認だけあって、概してホイットニーは被害者のように描かれる。ファミリー・ビジネス、ボビー・ブラウン、幼児虐待、そして麻薬…。ネタバレになるので詳しくは書かないが、幼児期のトラウマがあったとはいえ、結局は、神から授かった天性の歌声を犠牲にしてまで悪魔の声に従い続け、気づきが遅れたホイットニーが一番悪いのではないか。そして手にした栄光がデカかっただけに、反動も大きかった。密かにマイケル・ジャクソンと交流を持っていたというのが、僅かな救いだったな。

それと、一般的に言われる悪夫ボビーより、成功したホイットニーにまとわりついた家族や友人、これがクセモノ。何とか更生させようとする母シシーを遠ざけ、耳障りのイイことばかりを言うイエスマンたちで周囲を固めたコトが、ホイットニーの間違いの根幹だった気がする。でもこれは別に彼女に限らず、普通の社会人にも当てはまるコト。部下を持ったり、地位的に成功した人なら、多かれ少なかれ必ず通る道のはずだ。そこに気づけない者は、いつかは必ず凋落を味わう。

結末は惨憺たるドキュメンタリーだけど、めでたい大団円でエンターテイメント性が高い『BOHEMIAN RHAPSODY』より、波乱万丈の48年を駆け抜けたスーパースターの光と影を真摯に見つめる方が、ヒトにとって学ぶべき部分は多いかもしれない。

映画『ホイットニー 〜オールウェイズ・ラヴ・ユー〜』公式サイト/a>