mukaiya 019

暮れから取り掛かっていた仕事部屋の大掃除/断捨離プロジェクト(?)が、ようやくメイン・イベントである9年振りの iMac 入れ替えに辿り着き、移行作業も9割がた片付いた。PC入れ替えは2年ほど前から考えていたが、手間が掛かるので締切に余裕がないと着手できない。そのためアッという間に月日が過ぎ、最近はネットを見るにも反応が鈍く不安定で、イライラが募る状況。そこで年末のうちに最新iMacを購入し、正月に入れ替えるつもりが、結局この連休になった。移行がスムーズに行かずサポートの助けを借りて、無事に移行。最近は apple も随分低姿勢になったな。あとは不要ファイルや溜まりに溜まったメールなどを整理するだけ。外観はモニターが薄くなった以外大差はないが、スペックが上がって かなり快適。やっぱり、女房とPCは新しいに限る もっともCD収納はまだ終わってないので、ジャズ・フュージョン系CDを、あと250枚ほどをやっつけにゃならないけど…

さてご紹介は、元カシオペアの名物 kyd 奏者、“司会屋” こと向谷実の、25年ぶりのソロ・アルバム。16年11月に開催された楽器フェアのイベント:East Meets Westで、向谷とドン・グルーシンが再会し、それがこのプロジェクトに発展して日米の敏腕プレイヤーが集結した。

参加したのは、ドン・グルーシン(kyd)以下、アーニー・ワッツ(sax)、ハーヴィー・メイソン(ds) 、エイブラハム・ラボリエル Sr.(b)、ポール・ジャクソンJr.(g)、エリック宮城(tr)、本田雅人(Sax)等などの、超一流どころ。しかも日本勢がみんなでL.A.に出向き、全員揃ってスタジオ入りして顔を突き合わせてのレコーディング。70年代〜80年代は当たり前だったこのやり方が、今はほとんど行われていない。金と時間が掛かる上、売れっ子ミュージシャンのスケジュール合わせだけでも大変だからだ。それゆえ今は打ち込みがデフォルトになって、豪華メンバーが参加してもファイルにダビングするのが普通。こんな贅沢なスタジオ生セッションなんて、フュージョン系では まず行われない。

そうした古き良きレコーディング・スタイルを復活させたのが、このアルバムのポイント。収録曲はメンバーの旧曲の持ち寄りで、向谷自身もカシオペア時代の<Cirona>や<Once In a Blue Moon>を用意して再演した。新しいのは向谷作<Friendship>と、向谷=ドンの共作であるタイトル曲。つまり、メンバーはゴージャスで演奏も最上級、音楽的には型にハマったスムーズ・ジャズよりずっと面白いが、実のところ革新的な側面はほとんどない。一番驚くのはやっぱり、この世知辛い時代に、よくこの豪華メンバーが「せーの!」でスタジオ入りできたな、というコトなのだ。

リリース元はドメスティック・メジャーのレコード会社。でもエグゼクティヴ・プロデューサーが向谷自身だから、制作資金は向谷自身が用立てたのだろう。ご存知の人も多いと思うが、彼は今、元々は趣味だった鉄道周りの仕事やゲーム・ソフトなどでひと財産を築いている。カシオペア再結成に加わらなかったのも、そちら方面で忙しいのに加え、もう野呂(一生)と手を組む必要がなかったからだろう。

音楽的クオリティはともかく、制作方法自体は80'sのバブリーな頃のまま。解説には「キーボード奏者、作編曲家、プロデューサーとしての向谷の才能が遺憾なく発揮」とあるが、自分にはそうは見えない。このアルバムのキモは、演奏家や作曲家としての向谷ではなく、彼のプロデューサー/プロジェクト・リーダーとして企画力と実行力にあると思うな。