david t.2019

来日のたびに足を運んでいるデヴィッド・T・ウォーカー公演@Billboad Live Tokyo、今回は初日2nd へ。まして今回のツアーは、Billboard japanのサイトでデヴィッド・Tの記事を書かせてもらっていたので (こちらを参照)、見逃すワケにはいかない。

記事の中でも触れているが、今回のツアー最大の見どころは、急逝したンドゥグ・レオン・チャンスラー(ds)の後任として、もう一人の盟友ジェイムス・ギャドソンが参加したこと。もちろんどちらも名ドラマーだが、実はプレイスタイルには結構開きがあり、アンサンブルには当然 変化が生じる。ンドゥグはパーカッションが得意な人で、ドラムもドカドカと派手に打ち鳴らすタイプ。対してギャドソンは、片手16打ちの考案者とされるだけあって、ハイハイット中心に、ストイック且つしなやかで重厚なグルーヴを追求していく。そうした違いを直に確かめたかったのだ。

ライトが落ちると、いの一番に登場したのは、意外にもそのギャドソンだった。威圧感のある大きな身体をしているが、心なしか足取りがおぼつかない。ちょっと不安を覗かせたお目見えだったが、一旦演奏が始まってしまうと、それはただの杞憂だと分かった。逆に、まだデヴィッド・T.のナンバーが自分のモノになっていないのか、右手がバーの途中でハイハットに行ったりライドに行ったりと、より良いドラミングを模索しながら叩くような場面が見受けられた。それでもハイハットでハーフタイムを刻み始めると、もう独壇場で。それこそバンドのギアが上がったようなドライヴ感を味わえた。ステージフロアではなく、上階から見下ろしていたので、彼の手の動きがバッチリ見えたが、そのスナップの動きは登場の時とはまるで別人。しかもその右手のハット・ワークに、時折左手まで差してくる。このグルーヴでこの小ワザは、まさにギャドソンならでは。

もちろんデヴィッド・T.自身は落ち着いたモノで、人間国宝的なワン・オンリーの魅力に陰りはない。詳細は是非、デヴィッド・T.公認サイトのウエヤマさんレポートをご一読あれ。