rockie robbins

これは意外というより、完全に意表を突かれた復活劇。ミネアポリス出身の都会派黒人シンガー:ロッキー・ロビンスの、実に34年ぶりのソロ・アルバムが英Expansion Records から出ている。長きに渡る隠遁生活の間は、どうやら故郷ミネソタに戻っていた様子。教会へのサンクス・クレジットもあるから、ゴスペルでも歌っていたのかな?

ロッキー・ロビンスは、79年にシカゴの名伯楽リチャード・エヴァンス&ジョニー・ペイトのプロデュースでA&Mからデビューし、80年の2nd『YOU AND ME』ではフィリーのボビー・マーティン制作下でサム・ディーズやジェイ・グルスカ、先日この世を去ったマイケル・ワイコフ<Looking Up To You>の作者リオン・ウェア=ゼイン・グレイのコンビ作品などを歌唱、更に81年作『I BELIEVE IN LOVE』では、アル・ジャロウやアヴェレイジ・ホワイト・バンド、シェリル・リンらをカヴァーしたりして、ソウル・ファンよりもAORフリークに人気が高かった。

このアルバムはロッキーにとって通算5作目。復活のキーパーソンはプロデュースを手掛けるリッキー・ピーターソンだ。ロッキーは元々曲作りにも才を発揮する人なので、ココではロッキーとリッキー・ピーターソンで多くの楽曲を書き下ろしている。ご存知のようにリッキーは、ベン・シドランやプリンス、デヴィッド・サンボーンをサポートしながら、自分ではAOR寄りのリーダー作を出してしまうフレキシブルな人。その実力が、ロッキーという往年の名ヴォーカリストを通して遺憾なく発揮された印象だ。作風としては全然新しくないものの、今ドキのスムーズ・ジャズではなくて、もっとオーセンティックな旨味を孕んだ音。安定の英Expansionクオリティ、とも言えるかな。アレサ・フランクリン<Rock Steady>なんて、セント・ポールことポール・ピーターソンがギターで参加したブリブリのファンクですゼ

チャカ・カーンの新作を聴いて、彼女が本来の歌を歌っていない、声やサウンドはパワー全開なのに、どうもトラックに声を貼り付けただけで、ストーリーを歌っていないように感じてしまったカナザワにとって、このアルバムは何とも耳に優しく、ホッコリする歌が聴ける作品だ。流行を追うのとは対照的に、地味ながらも長〜く付き合えるアルバムでもある。