hanson 2

第2期ジェフ・ベック・グループ(以下JBG II)みたいな英国産ファンキー・ロックを好きな方は無視厳禁の隠れバンド、ハンソンの紙ジャケ盤が単独リリース。ハンソンといっても、あの<MMMBOP(ンー・バップ)>のアイドル3兄弟、じゃーないゾ。ハンソンは、ジャマイカはキングストン生まれのギタリスト/シンガーであるジュニア・ハンソンを中心とした4人組。彼はジュニア・マーヴィン名で全盛期のボブ・マーリィー&ザ・ウェイラーズに在籍した変わり種で、まぁ、コロコロと名前を変える人でもあった。

ざっと挙げると、ジュニア・カー、ジュリアン・マーヴィン、マーヴィン・ハリソンなど。しかもレゲエの人気シンガーにもジュニア・マーヴィンってのがいるからヤヤこしい。でもその経歴は華麗そのもの。ウェイラーズ以外にもキーフ・ハートレイ・バンド、トゥーツ&ザ・メイタルズ、ツトム・ヤマシタ、リアル・シング、サンディ・デニー、ラビット(元フリー)、スティーヴ・ウィンウッドなどのアルバムに関わっているのだから。ボブ・テンチの出身バンド:ザ・ガスに絡んだり、リンダ・ルイスと一緒にバンドを組んだりした時期もあったから、早くからUKブラック人脈に加わっていたヒトなのだ。

そのハンソンが、ELPが設立したマンティコア・レコードからデビューしたのが73年。結成メンバーには、JBG II〜ハミングバードのクライヴ・チャーマン(b)、スティヴン・スティルス〜ハミングバードのコンラッド・イシドア(ds)、元ジューシー・ルーシーのジーン・ラッセル(kyd)が名を連ねている。ゲストにもテンチやゴンザレス周辺のミュージシャンが参加。それに続いたのが、ココで紹介するセカンドである。ジャケットはB級ハード・ロック調ながら、中身はなかなかに美味しく、ファンキーな英国ロック好きには堪らない作。以前ビクターがマンティコアのボックスを出した時に、その中で2枚揃って初CD化されたが、2ndの単体売りはコレが初めてだ。

しかし1st からは、早くもジュニア・ハンソン以外のメンバー総入れ替え。ドラムにゴンザレスやオリンピック・ランナーズで活躍していたグレン・ルフール、ベースはのちにホワイトスネイクで活躍するニール・マーレイ、そしてパーカッション奏者ブラザー・ジェイムスの4人組となっている(国内仕様のオビには1stのメンバーが記載されているので要注意)。更にサポートで、アンドレ・ルイス(kyd)とマルロ・ヘンダーソン(g)という米国勢が参加。彼らは共にバディ・マイルスやマクサンで行動を共にしたミュージシャンで、アンドレの当時の奥方マクサン・ルイスをシンガーに擁したグループがマクサンである。そのマクサン解散後、アンドレは最近CD再発されたマンドレを引率。マクサンは日本でセッション・シンガー/ヴォーカル・トレーナーをしていた時期もあった。

この2作目では1作目よりロック色が濃くなり、半ばジミ・ヘンを髣髴させるブルース・ロックに近づいた感があるが、それはやはり正式メンバーに鍵盤がいなくなって、ギターのフィーチャー度が高くなったことが大きそう。もしハンソンに、JBG IIのマックス・ミドルトンのような存在がいたら、もっと深みのあるグループになっていたかもしれない。何れにせよ、JBG II 周辺のミュージシャン動向に興味がある方は、是非抑えておくべきグループだと言える。