mariya_portrait

まりやさんの40周年記念リマスター・シリーズのラストを飾るRCA5作目にして最終作が登場。オリジナル・リリースは81年10月。世間的には まりやさんのRCA最高作とされている。ご存知のように結婚休業前の区切りの作品でもあり、制作が始まる頃には既に山下達郎と一緒に暮らし始めていたとか。当然のこと実作業は彼らの二人三脚状態。故に達郎氏も、まりやのRCA作品では一番愛着を持っているらしい。

ただ個人的には、その完成度の高さ、パーフェクトな感覚が、ちょっと息苦しく感じてたりして…。もちろん まりやさんがブレイクを取ることを前提に、やりたいことをノビノビと楽しんでやっているのはチャンと伝わってくる。集大成といえば、確かに第一期集大成でもあるだろう。

ただこのアルバムって、大貫妙子や伊藤銀次とコラボしたりして、シュガー・ベイブやオールディーズ色が濃くなったと同時に、ポップ寄りの楽曲もかなり凝って作り込んでいる。そこが少しだけ、自分の肌に合わないのかも。マージー・ビートやポップ・チューンは、完成度よりもっと勢い、グルーヴ感が欲しいクチなのだな、カナザワは。

しかも前作『MISS M』が極めてコンテンポラリーな作りで、それにハマっていたカナザワだから、『PORTRAIT』を初めて聴いた時のホンノリした違和感が、今もそのまま残っている。『BEGINNIG』や『UNIVERSITY STREET』にあった親しみやすさも、ちょっと乏しくなったような…。まぁ、どれもあくまで自分の好みの問題なのだけど。

今シリーズ恒例のボーナス・トラックは、<ウエイトレス>、<Natalie>、<Special Delivery 〜特別航空便〜>、<Crying All Night Long>、<ラスト・トレイン>、<リンダ>の当時のライヴ音源6曲。中でも銀次さんと共演した<Crying All Night Long>、ピアノだけをバックにシットリ歌う<リンダ>は特筆モノで、なんやかんやとシッカリ繰り返して聴いてしまいます。