classic IV

今年で20周年を迎えたガイド本『AOR Light Mellow』の掲載アイテムの中で、今も未CD化のまま陽の目を見ていない作品がいくつかある。そのひとつが、デニス・ヨスト 唯一のソロ・アルバム『GOING THROUGH THE MOTIONS』(81年)。そして彼の出身グループであるクラシックスIVの作品群も、音楽的評価が高い割にはCD化が進まず、これまでに出てたのは、似たような内容の編集盤ばかりだった。それがいつの間にか英国再発レーベル Beat Goes On (BGO)で、ツルッと4in2のオリジナル復刻。調べたらどうやら昨年暮れにリイシューされたらしく、ちょいと慌ててゲットした次第である。

日本では知る人ぞ知るクラシックスIVだが、立ち位置としてはブルー・アイド・ソウル寄りのソフト・ロックといったところで、その筋のファンには知られている。67〜69年の間には、<Spooky>や<Stormy>、<Traces>といった全米トップ5入りのヒット曲も。とにかくデニス・ヨストのソウルフルで艶っぽいヴォーカルが魅力的で、もう堪らんチン、なのだ しかもプロデューサーのバディ・ヒューイ、ギタリスト兼ソングライターのJ.R.コブは、グループ解散後にアトランタ・リズム・セクション結成を仕掛けるワケで。すなわち彼らは、南部出身ながら、もっとも早くプレAORに数えるべきソフィスティケーションを備えたソフト・ロック・グループと言えた。カナザワ的には、よく知られたソフト・ロック・グループにプレAOR要素を感じることはあまりないけれど、ソウル・エッセンス濃厚なクラシックスIVだけは もっと再評価されて然るべし!と思っていた。

CD2枚にコンパイルされた4作は、68年作『SPOOKY』と『MAMAS AND PAPAS SOUL TRAIN』、69年作『TRACES』、そして70年の『SONG』。1枚目ではまだカヴァー曲が多く、モンキーズ<Daydream Believer>やグレン・キャンベル<恋はフェニックス>(ジミー・ウェッブ作)、ホリーズ< Bus Stop>(10ccのグレアム・グールドマン作)などを歌っている。が、2ndからは急にオリジナルが増え、ヨストが得意とするミディアム〜スロウ系の濃度が増した。カヴァー曲を演るにしても、“らしさ” を強調。下に貼ったボビー・ヘブの<Sunny>(『TRACES』所収)なんて、メチャメチャ メロウに変化している。

ヒット曲の豊富さに対してカタログ再発が進まず、ベスト盤で事を済ませてしまうのは、ラジオ偏重で発展したUS音楽シーンの弊害だ。だからカタログ復刻が日本や英国主導で進むのは、よく分かる。でもクラシックスIVは日本にも隠れファンが多いらしく、数が少なくても熱量は高いようだ。実際<Spooky>をライヴ・レパートリーにしているアーティストは少なくなくて、かくいうカナザワも何度がこの曲に遭遇してビックリした経験がある。70年代前半のポップ・カントリーや L.A.スワンプにAORのルーツを嗅ぎつけることができる人なら、きっとクラシックスIVの先進性にも気づくだろう。