simply red_symphonica

結成30周年に当たる2015年に再結成し、新作『BIG LOVE』をリリースしてアニヴァーサリー・ツアーに出たシンプリー・レッド。その後ニュースを聞かないな、と思っていたら、17年秋にアムステルダムで40人編成のオーケストラを従えたゴージャスなショウをやり、それを昨年末、ライヴ・アルバム/映像作品として発表していた ロッド・スチュワートの代わりに再編フェイセズに参加し、フジ・ロックに出た(2011年)時も驚いたけど、ミック・ハックネルという男は、時々ビックリするようなコトをやるな。

シンプリー・レッドといえば、ポスト・パンク〜ニュー・ウェイヴの流れの中で登場したグループ。当時からハックネルの尊大ぶりが話題になったが、そのブルー・アイド・ソウル愛は本格的で、 この手のアーティストの中ではカナザワも当時から愛聴していた。でもジャケットのように、蝶ネクタイで正装して、オーケストラをバックに歌う彼には、違和感ビシバシ。しかもオープニングは、フランク・シナトラが1940年代に大ヒットさせた<All Or Nothing At All>。終盤には<My Way>まで飛び出して、なるほど、コイツはシナトラになりたかったのだな、と分かってくる。

収録はCD15曲 / DVD19曲の2枚組。シナトラ・カヴァーを除くと、他は ほぼシンプリー・レッドのナンバーばかりで占められ、見どころ・聴きどころ盛り沢山。かつては屋敷豪太、そして近年は鈴木賢司(ケンジ・ジャマー)が在籍と、日本との縁も何故か深かったりするのも嬉しい。最初のうちは若干滑らかを欠くように感じられるヴォーカルも、<Stars> <A New Flame> <Something Got Me Started> <Fairground>などが怒涛のように繰り出される後半は艶やかを増して、まさに圧巻。音と光の一大スペクタクルとなる。アムステルダムのジゴー・スタジアムを埋めたオーディエンスも熱く、シンプリー・レッドの欧州圏での人気の高さを証明。そしてラストは、<If You Don't Know By Now>で壮大に締め括る。蝶ネクタイ姿には最後まで馴染めないものの(苦笑)、コレはコレで凄いぞと。

ただ個人的には、こんな豪華なステージなど要らんから、カジュアルなバンド・セットを観たいトコロであるな。