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スムーズ・ジャズ系人気ギタリスト、ノーマン・ブラウンの2年ぶり新作『THE HIGHEST ACT OF LOVE』を聴いた。米FMのラジオ・フォーマットに忖度するのか、金太郎飴的な作品ばかり乱発されるスムーズ・ジャズ・シーンなので、もう積極的に追い掛けなくなってしまったカナザワだけれど、やはりキャリア組はひと味もふた味も違う。92年にMoJazzからデビューしたノーマンも、既に今年で27年目。オリジナル・ソロ作品は10枚を数え、他にもリック・ブラウンやカーク・ウェイラムと組んだBWB、ジェラルド・アルブライトとのジョイントでもアルバムを出している。もっともそうしたスター・プレイヤー同士の掛け合わせも、スムーズ・ジャズでは常套手段なのであるが…。

デビュー当時はジョージ・ベンソン・フォロワーとして注目されたノーマン。けれど近年はもうそこから脱却していて、楽曲によってそのテイストを若干漂わせる程度。人気プロデューサー:ジェイムス・ポイザーと早くから手を組んだのが奏功したか、むしろシーンを先導する立場に回った。

Shanachieからの2作目になる本作『THE HIGHEST ACT OF LOVE』は、多彩なゲスト陣に少なからず頼ってしまった感の前作とは違い、ジックリ腰を落ち着けた作り。ワーナー時代のプロデューサーで、グラミー受賞作『JUST CHILLIN'』(02年)の相方だったポール・ブラウンを再び招いて、2曲プロデュース、うちオープニングの<Inside The Garden Of Peace And Love>で麗しきギター共演を果たしている。ゲスト・シンガーはデニース・ウィリアムス。彼女自身の人気曲<Free>を取り上げ、この曲ではまさにベンソン風のギター・プレイで歓待した。<Words of Wisdom>を歌っているベイビー・リーは、ノーマンの2nd『AFTER THE STORM』でバック・シンガーを務めていた女性シンガー。個人的には、キム・ウォタースとのコラボ<Peace Of Mind>が気に入っている。