otona music paradise

ある筋からのお誘いで、『OTONA MUSIC PARADISE―大人音楽園 Vol.1― ”SAYONARA 平成! Stylish Pop@SHIBUYA”』を観に行った。これは、渋谷区文化総合センター大和田にある2つのホール、さくらホールと伝承ホールをまとめて借り上げ、2館同時に昼・夜の2回まわし計4公演を行うオトナ向けのライヴ・イベント。杉真理、木根尚登、古内東子、カジヒデキ、楠瀬誠志郎、佐藤竹善、野宮真貴、土岐麻子の8人が1公演3人づつに分かれて競演。木根、古内、カジ、楠瀬は昼・夜、両方に出演した。

13時30分の回に足を運んだのは伝承ホール。最初の登場はカジヒデキで、サックス、パーカッションの2人を従え、半ズボン姿通りの楽しいステージを披露した。ノッケからギターの音が出なくなるアクシデントがあったが、全然動じることがなかったのは、さすがオトナのライヴである。二番手は女性ピアニストと一緒に登場した土岐麻子。しばらくぶりに彼女のパフォーマンスを観たが、ピアノ一本でも、やっぱり彼女には華を感じる。そして第一部のトリは楠瀬誠志郎。このところ急に復活してきた感があるが、特徴あるハイトーン・ヴォイスは全盛期からほとんど衰え知らず。細井豊(kyd)、六川正彦(b)にドラムを従えてのバンド・フォーマットも嬉しく、最後はヒット曲<ほっとけないよ>で締め括った。そのあとカジ、土岐ちゃんを呼び込んで、ビールのCMやジプシー・キングスでお馴染みのカンツォーネ<Volare>の大合唱で幕を閉じた。

さくらホールでの2nd、17時30分にいきなりスタートしたのは、佐藤竹善ソロ。アコギもしくはエレピの弾き語りで、ソロ曲、Sing Like Talkingの曲を高らかに歌い上げていく。特に印象的だったのは、カヴァーの<Here There And Everywhhere>。数あるビートルズ・ソングの中でもコレを選ぶあたりに、やっぱり竹善サンのAORセンスを感じたりして。続いての登場は、昼の部でも観た楠瀬サン。前回とは2曲入れ替えてきたが、郷ひろみもカヴァーした名バラード<僕がどんなに君を好きか、君は知らない>が感動的で、オーディエンスからすすり泣くような声が。そしてトリは、「どうして僕が最後なんでしょ?」と笑いを取った元TM Networkの木根さん。でも実はカナザワ、まったく通ってない人なので、やたらと面白いMCばかりが印象に残ってしまった そして竹善、楠瀬を呼び戻しては、サザン・オールスターズ<真夏の果実>で大団円。客電が点き、影アナが終演を告げてもアンコールの拍手が止まない、そんな大盛り上がりのライヴだった。

でも冷静に考えると、この『OTONA MUSIC PARADISE』は、昨年秋に横浜・関内ホールで行われた『OTONANOライヴ』と似たような座組のようで…。冠こそ代わっているが、出演アーティストは一部被っている。なるほど、その結果を踏まえての、2ホール同時開催4公演だったのか、と妙に納得。さすがにこの規模感は無理だけれど、公演内容は6月のLIVE Light Mellow Vol.2 の参考にさせていただこう〜っと