mike+mechanics_out of blue

元ジェネシスのマイク・ラザフォード率いるマイク&ザ・メカニックスの新作『OUT OF THE BLUE』が、通常盤、デラックス盤、アナログ盤、ストリーミングなどでリリース。通算では9作目のアルバムに当たる。その内容は新曲3曲入りベスト盤、と思いきや、これまでのヒット曲もすべて現行メンバーでリ・レコーディングした新録ベスト。しかもデラックス版の disc 2 はアコースティック・セットによるもので、バンド・セットとアンプラグド・セットの両方用意された楽曲が4曲も入っている。

メカニクスといえば、ポール・キャラックと、00年に急死したポール・ヤング(ex-Sad Cafe)という2トップ・シンガーを擁して<All I Need Is A Miracle>や<Living Years>などのヒットを飛ばしたけれど、マイクがジェネシスに時間を取られるなどしているうちに体勢が崩れ、しばし低迷。10年代に入る頃に、ソロ作も出しているUKブラックのシンガー・ソングライター:アンドリュー・ローチフォードと新人ティム・ハウアーを迎えて態勢を立て直し、ライヴ中心に活動を展開してきた。フィル・コリンズの問題からリユニオンがままならないジェネシスだから、マイクにとってはメカニクスが今の活動母体。実際、17年発表の前作『LET ME FLY』(当時のポスト)は22年ぶりに全英トップ10入りし、この新作も既にそれに並ぶヒットの兆しを見せているそうだ。

それならば、勢いを駆って『LET ME FLY』に続く純新作をお願いしたいところ。でもマイクの中では、この現行メンバーの充実したライヴ・フォーマットで、往年の名曲たちを記録しておきたい、そういう気持ちがあったのだろう。現在UK / EUツアーを展開中の彼らだが、当然それをフォローする意味もあるはずだ。

…とはいえ、セルフ・リメイクがオリジナルを越えることは難しく。そこはマイクも理解しているのか、ヒット曲の新解釈を聴かせるのではなく、オリジナル・アレンジに忠実なテイクがほとんど。<All I Need Is A Miracle>に至っては まるでライヴ・リハーサルのようで、擬似コール&レスポンスまで入っている …って、コレはちょっと安易すぎない 新曲3曲は、前作の主要曲同様マイクとローチフォード、クラーク・ダッチェラーの共作で、特にタイトル曲<Out Of The Blue>が秀逸だ。

ツアーあってのリメイク新作発表か、あるいはアルバムが先にあってのプロモーション・ツアーなのか、その辺りは分からないけれど、そろそろジャパン・ツアーには期待したいところである。