boz_down two then left

現在、好調にジャパン・ツアーを展開中のボズ・スキャッグス。前半戦の仙台と東京3公演は既に終わり、残すは大阪・広島・名古屋となっている。その模様はSNSや関連サイトのアチコチで紹介されているが、今回カナザワは連休明けのスケジュールが見えず、東京公演に足を運ぶことができなかった。ようやく都合が付いたら、東京3公演とも既にソールド・アウト。まぁ、最近は来日の度に観に行っていたので、さほどの悔しさはないのだが、<Loan Me A Dime>はまたナマで聴きたかったな…。

でも観に行った一部ファンが、事前に自分勝手にセットリストを予測し、結果「裏切られた…」とほざいているのを見て、ちょっと腹が立っていたりして…。来日前から「今回はブルース・セット」と決めつけている輩が少なからずいて、それに対して「じゃあ行く!」とか「AORが少ないなら行かない」とか。

ボ〜ッと生きてるんじゃネェよ!

である。

そもそも近年のボズのライヴがAORとブルース折衷なのは、ちょっと調べればすぐに分かるはずだし、日本へ来る前の全米ツアーのセットリストもネットで簡単に検索できる。ネタバレがイヤという方もいるだろうが、だったらもっとニュートラルにボズのライヴへの思いを真っ直ぐ受け止めるべき。聴きたい曲をアレコレ並べて夢想するのは自由だし、「あぁ、アレが聴きたかったな」とボヤくことは、自分にだってある。でも「今回はブルース・ツアー」なんて通ぶって語ってるヤツに限って、「ガッカリした」と宣うんだな。でもそれはボズ通ではなく、単に自分が抱くボズ像を押し付けているだけだ。

もちろん2〜3曲は日替わりメニューだそうだし、<We're All Alone>や<Breakdown Dead Ahead>のように、まさに日本向けに用意してきている楽曲もある。米国ツアーの方がブルース多めなのは間違いないが、日本ツアーも前回はもう少しブルース色が濃い選曲だった。そもそも来日告知のラジオ・スポットを耳にして、未だ「AORの帝王、ボズ・スキャッグス来日決定」みたいなコピーだったから、これには思わず苦笑。クラプトンの時も、真っ先に “平成最後の来日” と謳っていて、外タレに年号は関係ないだろ!と嘲笑した。メディアあるある、である。おそらく招聘元との契約に、<We're All Alone>は必ず…、みたいな状況があるのではないかと推察するが、これを外すだけでもマニア間のボズ株が上がるだろう。

先に facebook でご紹介したボズの “ヨット・ロック大嫌い” 発言も、案の定 言葉尻だけを捕らえたブルース支持/AOR嫌悪派のプロパガンダに使われてしまっている。けれどボズは用語が嫌いなだけで、AORの音楽スタイル自体には好意的だ。何より今ツアーで『SILK DEGREES』から6〜7曲で取り上げているのが象徴的で。あるSNSの書き込みで、ボズはチケットが売れないから日和ってAOR曲を多くした、なんて心ない書き込みもあって、完全に老害ファンだな。ヲイッ東京公演は全てソールド・アウトですヨ

…というワケで、今日は『SILK DEGREES』と『MIDDLE MAN』の間でちょっと陰に隠れがちな77年作『DOWN TWO THEN LEFT』。デヴィッド・ペイチとデヴィッド・フォスターの間でマイケル・オマーティアンがアレンジ、というのがミソ。バックもジェフ・ポーカロ入りリズム・ヘリテッジといった陣容で、ジェイ・グレイドン、レイ・パーカーJr.、スコット・エドワーズが一緒に土台を固めている。この時期のボズ作品では一番ロイクな音。シンボリックな楽曲がないので、ライヴじゃ全くココからは演ってくれないが、楽曲によって振幅が大きかったり凸凹が大きい前後作よりも、アルバムとしてスマートにまとまっていた気がする。“2ブロック下って、そこを左” というタイトルも、ストレートに “●番街” と言ってしまうよりオシャレっぽい。

では日本公演後の復習はコチラで。

音盤_boz