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昨年11月15、16日にニューヨークのビーコン・シアターで行われたドゥービー・ブラザーズのショウを収めたライヴ・パッケージがリリースされた。手に入れたのは、2CD+DVDの輸入盤国内仕様。CDは要らないので最初は安価な輸入盤Blue-rayをオーダーしたが、発送が8月まで延びると通知が来たので、仕方なく早く出る国内仕様に切り替え。ブツが来たところでサイトを見たら、キャンセルした仕様がちゃかり在庫アリに切り替わっている。こりゃ詐欺だろーッ、amazon japanよ

でも作品の内容は充実のひとこと。トム・ジョンストン期の代表作である『TOULOUSE STREET』と『THE CAPTAIN AND ME』を完全再現したショウで、アンコールに<Take MeIn Your Arms(君の胸に抱かれたい)>と<Black Water>というセット・リスト。言うまでもなくマイケル・マクドナルド期にも思い入れが深いから、確かに少々物足りなさはあるのが、あれは別モノと割り切れば、コレはコレで美しくも感じられる。実際グループのシグネイチャー・ソングである<Listen To The Music>、<China Groove>、<Rockin' Down The Highway>、そして<Long Train Runnin'>は、すべてこの2枚に集約されているのだからして…。

現在のドゥービーは、トム・ジョンストンに、唯一のフルタイム・メンバーだったパット・シモンズ、そしてフィドルやペダル・スティール、バンジョー、ハーモニカなどの演奏で存在感を示すジョン・マクフィーの3人だけが正式メンバー。鍵盤のビル・ペイン(リトル・フィート)やサックスのマーク・ルッソ(元イエロージャケッツ〜タワー・オブ・パワー)らは、ライヴ・メンバーとしてクレジットされている。それでもカントリー系のキャリアが豊富なジョン・コーワン(b)はコーラスでの貢献度も高く、<Take MeIn Your Arms>ではリード・ヴォーカルを担当していた。

2年前の武道館公演を見て、彼らのギター・バンドとしてのレヴェルの高さ、ヴォーカル・ハーモニーの充実度に今更ながら感心させられたが、その優れたバンド・フォーマットは些かも衰え知らず。特にトムとパットのシンガーとしての魅力は、寄る年波を跳ね返さんばかりだ。2枚のアルバムを完全再現というコトで、ステージではほとんど耳馴染みのないナンバーもあるが、逆に通常ライヴではちょっと圧縮され気味なアコースティック・パートの拡充が新鮮に映った。ギター弾き3人がフロントに仁王立ちしてソロを繋いでいくあたりは、やはりコレがドゥービーの正しい姿なのだと実感。マイケル期の人気曲の数々は彼のソロ・ライヴでも遜色なく楽しめるけれど、こうした豪放なギター・アンサンブルは、やはりドゥービーならでは、だな。