yes 50 live

今年2月に日本公演が実現した、イエス50周年記念ツアー。そのツアーのライヴ盤が発売された。収録されたのは、その前年の7月20〜21日に行われたフィラデルフィア公演が中心。正式メンバーはスティーヴ・ハウ(g)、アラン・ホワイト(ds)、ジェフ・ダウンズ(Kyd)、ビリー・シャーウッド(b)、ジョン・デイヴィソン(vo)。ただし腰に持病があるアラン・ホワイトの出番は、終盤とアンコールに限られ、代役にはジェイ・シェレンが就いている。更にその日は、トレヴァー・ホーン(vo)、パトリック・モラーツ(Kyd)という歴代メンバーがゲスト出演。アンコールではアランと共に、日本公演にも同行したオリジナル・メンバー:トニー・ケイ(kyd)もプレイした。

収録曲は以下の通り。

Close To The Edge
Nine Voices (Longwalker)
Sweet Dreams
Madrigal
We Can Fly from Here, Pt.1
Soon ※with Patrick Morai
Awaken ※Alan White on Drums
Parallels
Excerpt From 'The Ancient'
Yours Is No Disgrace ※Alan White on Drums / with Tony Kaye
Excerpt From 'Georgia's Song' And 'Mood For A Day'
Roundabout ※Alan White on Drums / with Tony Kaye
Starship Trooper ※Alan White on Drums / with Tony Kaye

このように収録日当日のセットリストに忠実に収めているワケではなく、その意図も不明ながら、実際に聴いて違和感はない。違和感といえば、ジョン・デイヴィソンのヴォーカルのクリソツぶりは本当に見事で、ごく自然に聴いてしまえる。対してビリー・シャーウッドは、かなり頑張っているものの、まだクリス・スクワイアには追いついていない様子。それは特にベースよりコーラスに顕著で、クリスが如何に重要なポジションにいたかが分かる。看板はジョン・アンダーソンやスティーヴ・ハウでも、その屋台骨は他ならぬクリスだったのだ。まぁ、ビリーも歴戦のツワモノ、クリスが書いた<Parallels>ではオリジナルに肉薄するプレイを披露していて喝采モノだが。

全体を通して感じるのは、やはり、かつてのようなスリルを孕んだイエス・サウンドではない、ということ。老舗が暖簾を守り続けても、何処かでコダワリが薄れていくように、いま往年のナンバーを演るイエスは、現メンバーたちによる往年のイエスのコピーのような気がする。理由は簡単、彼らが新しい音楽の創造を目標にしているのではなく、継承自体を目指しているからだ。だから円熟はしても、勢いのある演奏はできない。全体的にテンポが遅くなった楽曲が多いのは、腰痛持ちであるアランのせいだと思っていたが、こうして聴くとシェランが叩いた曲にも同じコトが当てはまったりする。ということは、やはりグループ全体に通底するスピード感がダウンしているのだろう。

結成メンバー期の<Sweet Dreams>、原曲ではリック・ウェイクマン・フィーチャーの<Madriga>など珍しい曲も披露していて、ライヴ・アルバムとしての出来は決して悪くない。でも過去にも多くの好ライヴ盤を出してきたイエスだけに、勢いを欠く分、どうしても物足りなさが残ってしまう。歴史を引き継いでいくグループは、常にそういうジレンマと戦っていく覚悟がないとやっていけない。さもなくばキング・クリムゾンみたいに、オリジナルを超え得る絶対的完全コピーで誰にも文句を言わせないか、だ。

しっかし、最近のロジャー・ディーンのアートワークは、どれも似過ぎてて区別がつかんワ…