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ザ・バンドのDNAを受け継いだベテラン揃いの新グループ:ザ・ウェイト・バンドのジャパン・ツアー最終公演@Billboard Live Tokyo 2日目の2nd Stage を観た。正式な冠は、"THE WEIGHT BAND Featuring members of THE BAND and THE LEVON HELM BAND with special guests: Paul Barrere and Fred Tackett, the guitarists of LITTLE FEAT" (長ェよ) でもキャリア組とはいえグループとしてはデビューしたてで、お初の人もいると思うから紹介しておくと…。

ザ・ウェイト・バンドは、再結成後の後期ザ・バンドのメンバー:ジム・ウィーダー(g)が中心となった5人組で、スタートは2013年。結成のキッカケは、前年に亡くなったリヴォン・ヘルム追悼のスタジオ・ライヴで共演したことだった。結成メンバーに名を連ねたのは、ジムとはリヴォンのミッドナイト・ランブル・バンドで一緒だったブライアン・ミッチェル(kyd)、シカゴのライバルと見なされたザ・バッキンガムズやラインストーンズに在籍したのち都会派に舵を切ったレオン・ラッセルと共演したマルチ・プレイヤー:マーティ・グレッブなど。がグレッブは、残念ながら1stアルバム発表後に脱退。リズム隊も疾うに入れ替わっていて、現在は00年代にジムのリーダー・バンドに在籍していたアルバート・ロジャース(b)、ジェイソン・ムラーズやジョス・ストーン、ウィリー・ネルソンらとプレイしてきたマイケル・ブラム(ds)、そして来日メンバーにはグレッブと交替したマット・ゼイナー(kyd / ex-ディッキー・ベッツ・バンド)が帯同している。そして今回はそこにリトル・フィートのポール・バレアーとフレッド・タケットがゲスト参加、と聞いて、カナザワ、俄然観に行く気になった。スワンプやサザン・ロックは結構好きなカナザワだけど、実は若い頃はディランが苦手だったこともあり、ザ・バンドには思い入れが薄いのよ…
照明が落ちて最初にステージに登場したのは、ゲストであるポール・バレアーとフレッド・タケットの2人。フレッドはエレキ・ギター、ポールは主にスライドで、フィートの<Down On The Farm>や<Sailin Shoes>を披露する。立ち姿や歌声がずいぶん弱々しくなっていたポールだけれど、フレッドが彼を気遣って見守っている感じが絆の強さを思わせた。<Sailin Shoes>ではブライアン・ミッチェルがアコーディオンで付き添い、そのままウェイト・バンドが出てきて全員で<Willin'>を。ルーズな中に潜むしなやかな緊張感は、やはり超ベテランならではの味わいと言える。

その後はポールとフレッドが引っ込んで、ウェイト・バンドとしてのパフォーマンスへ。それがいきなりの<Stage Flight>、更に<Tears Of Rage>、<Up on Cripple Creek>、<Chest Fever>と、ザ・バンド門外漢の自分でも分かるような楽曲が連なる。ウェイト・バンドのアルバムからのセレクトは、タイトル曲<World Gone Mad>と<Common Man>、それにグレイトフル・デッドをカヴァーした<Deal>くらい。他のセットではもう少し多めに取り上げたらしいが、作曲面で貢献していたグレッブの曲を外すと、まぁ、こんなモンなのか。

ツアーに付いてるスタッフに聞くと、「ステージごとに曲の入れ替えはあったけど、この最終公演はガラリとセットリストを変えてきたんです」と興奮気味。6月に亡くなったドクター・ジョン追悼の意があったか、『THE RIGHT PLACE』から<Such A Night>をプレイしたのも驚いた。そしてアンコールは、再びポールとフレッドを交えたギター3本の大編成で、<Dixie Chichen>、アルバムに日本盤ボーナスとしてライヴ収録された<The Weight>、そして遂に<I Shall Be Released>で美しい大団円。最終公演が開演時間の早い日曜だったのも幸いして、何と100分超の充実したパフォーマンス(基本はワン・ステージ70分)となった。

職人肌のリーダー:ジム・ウィーダーを筆頭に、スター・プレイヤーのいないこのグループ。それこそ ザ・バンドの伝統を受け継いでいく、という一点で動いていると言えるが、この日本公演ではリトル・フィートへの愛情さえもグイッと盛り込んだワケで、渋みいっぱいなのにトコトン濃密。全メンバー全員が歌えて、曲ごとにリード・ヴォーカルが交替していくのもザ・バンドっぽいし、鍵盤の2人が頻繁に持ち場を換えるのも、楽曲に対する彼らの思い入れが表れているようでニンマリしてしまう。ある意味、良きアマチュアイズムを持った職人プロフェッショナル集団。彼らを観たら、逆に自分が一番感性の豊かな時期にザ・バンドを素通りしていたことを後悔させられてしまった。もっともカナザワ世代は、オンタイムでも『ISLAND』(77年)とか『THE LAST WALTZ』(78年)なんですけど…

添付のセットリストは、上がこの東京2日目の2nd最終公演のもの。下には31日の付箋があるが、1日1stも基本 同じ流れだったそうだ。

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そしてセットのインターヴァルに、スタッフに誘われて楽屋へ表敬訪問。左からポール・バリアー、フレッド・タケット、そしてジム・ウィーダー。フレッドには思わず、「一番最初にあなたの名前を知ったのは、ボズ・スキャッグスの『SILK DEGREES』でした」と言ったら、「ずいぶん昔の話だね」と笑っていた。

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