lionel richie live

日本の洋楽シーンでは話題性優先で、あまり情報が入ってこなくなったベテラン・アーティストをすぐに “過去の人” として扱う傾向が強いけれど、実際に本国へ行くとシッカリ国内ツアーに精を出していたり、ラスヴェガスあたりでロング・ランのショウを展開していたりする。このライオネル・リッチーもそのタイプ。80年代は、それこそマイコーことマイケル・ジャクソンの向こうを張るほどの勢いがあったのに、その後は低迷。12年に発表したゲスト満載のカントリー系セルフ・カヴァー・アルバム『TASKEGEE』で26年振りの全米No.1に返り咲き、復活を果たした。でも日本では盛り上がらず、14年に観た武道館公演も、なかなか充実したパフォーマンスだったのに、入りはちょっと寂しかった。その時の当ブログでは、「ちょっぴりラスベガスのディナー・ショウ的親近感も交えつつ、この大バコを盛り上げた」と書いている(当日のブログ)

そうしたら、ホントに出ちまいましたね、リチ男クンのラスヴェガス公演のライヴ盤『HELLO FROM LAS VEGAS』。彼が得意とするロマンチックかつ壮大なバラード群をベースに、ノリの良いダンス・チューンを交え、そこにコモドアーズ時代のヒット・メドレーを挟んでオールド・ファンを湧かせるグレイテスト・ヒッツ・ライヴ。ただし、苦戦していた90〜00年代のナンバーはガン無視。でも<We Are The World>は忘れない、ってあたりがエンターテイナーの極意かな? 90〜00年代にだってイイ曲はあったはずなのに、時間の限られたライヴ・ショウでは弾かれてしまうのも仕方がないかもしれない。

今年で齢70だけに、曲によっては少しキーを下げているよう。でもかのチャッキー・ブッカー(kyd)が、しばらく前からツアー・バンドの音楽監督を務めるだけあって、演奏は手堅いし、ドラマチックな盛り上げも巧みだ。ちなみにドラムは、L.A.のフュージョン〜スムース・ジャズ・シーンでは知られているオスカー・シートン。通常CDは12曲入りで、輸入盤デラックス・エディションと国内盤が15曲入りになる。

王道すぎて軽く見られがちだけれど、彼の全盛期を知らない洋楽ファンも出てきている今、その美メロ・メイカーぶりは、いま話題のエルトン・ジョン同様に再評価が進んでもイイと思うな。