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林哲司 produce AOR JAPAN LIVE@虎ノ門ニッショーホールにお邪魔した。出演は座長の林さん以下、稲垣潤一、山本達彦、epo、芳野藤丸、そして林さん率いるバンド・エイトがハコバンを兼ねて。林さんはブッキングから構成、演出など、ほぼずべてを自分で立案され、今回はMCでもフル稼動された。

スターターを務めたのは、林がメンバーとして参加する8人組、バンド・エイト。自前のテーマ曲に続いて、今回のイベントの主旨が林当人から説明され、そこからダンサブルなアーバン・チューンを立て続けに披露していく。彼らは今までに2枚のCDを発表しているが、まだ一般流通はなく、ライヴ会場での手売りのみ。でもかなりハイ・クオリティな80'sブギー/アーバン・ファンクを聴かせてくれるので(今年2月の ライヴ・レポート)、今のままではもったいないんだけどね。例えば、林さんプロデュースの国分友里恵あたりがお好きな方なら、きっと黙って反応してしまう音である。2作目から加入したミドリの髪の女性シンガー:一穂は、今までライヴ・ハウスばかりで歌ってきたので、何とコレがホール・デビューとか。それでも物怖じしない堂々とした歌いっぷりに好感が持てた。

続いて林さんに呼び込まれたのが、AORの貴公子:山本達彦。15年以上前にインタビュー取材をしたことがあったけど、もうご本人、お忘れだろうなぁ。<LE MISTRAL>とか、シングルになった<夢より苦しく>、そしてコンピ『Light Mellow MOONLIGHT』に使ったスティーリー・ダン・マナーの<Farewell, Midnight Blue>など、AORテイスト濃厚な80年代中盤の作品群『MARTINI HOUR』『MUSIC』『MEDITERRANEE』からのセレクト。そして最後は林さん、芳野藤丸のギターをフィーチャーしての<愛は僕の弱さだから>。いまだに根強い女性ファンを持つ達彦さんは、小洒落た小さめのライヴ・レストランでショウを行なうことが多く、こうしたイベントに参加するのは稀である。でもデビュー以前から付き合いのある林さんからのオファーということで、出演を快諾したのだろう。他のゲストと肩を並べて、少し照れ臭そうにしている姿がちょっと新鮮だった。

1部最後のゲストはEPO。普段は沖縄にいる彼女は、今回台風の影響でリハーサルに参加できず、当日リハのみでステージに立ったらしい。それでもバンドとのコンビネーションは危なげなく、オーディエンスも大盛り上がり。ヒーラーとしても活動する彼女は、一時そちら系の歌しか歌わない時期があったのだが、少し前から再びポップ・ソングに取り組み、最近はこうしたイベントでヒット曲を歌う機会も多い。しかもこの曲の並びだから、イベントの火付け役としては打って付けなのだ。そんな中で披露された<愛を>は、現時点での最新作からのナンバーで、シンプルなメッセージをキャッチーなメロディに乗せている。アンコールのシュガー・ベイブ・カヴァーは、同時にEPOのデビュー曲でも。その時の林さん編曲にまつわるエピソード、林さんの代表的作品である竹内まりや<September>でデビュー前のEPOがコーラス・アレンジに抜擢された秘話などが聞けたのも、こうしたイベントならでは。今レコーディング中というデビュー40周年記念アルバムも楽しみだ。

休憩を挟んでの第2部トップ・バッターは、他ならぬ林さん自身のステージ。最近の彼は、バンド・エイトのライヴと、自分が書いた楽曲をゲストと歌う Song File というステージをルーティンで行なっていて、これはその後者に相当するモノ。<Loving in the rain>と<Shadow Talk>は、共に92年作品『POP × ART』からで、<Shadow Talk>は艶っぽい詞を提供していた EPO本人とのデュエット。個人的には、林さんの2nd ソロ『BACK MIRROR』(77年)収録曲で、大橋純子&美乃屋セントラルステーションも歌っている名曲<Rainy Saturday & coffee break>をナマで聴けたのが大収穫だった。

入れ替わりで登場したのは芳野藤丸。いきなりの名曲<夏の女>や SHOGUN時代の人気曲<Bad City>で盛り上げた。最後は林さんの無茶ブリで、再婚したばかりのパートナー:原久美さんがコーラスで飛び入り参加したのも微笑ましかったな。ただ藤丸さんは、あんまし喋らずに黙ってギターを引き倒していた方が、ずーっとカッコ良いんだけど…

そしてトリはレザーのジャケットでバッチリ決めた稲垣潤一。楽曲も大瀧詠一が提供した<バチェラー・ガール>に、稲垣人気を決定づけた初期名曲<夏のクラクション>、そして林さんが提供した<P.S.抱きしめたい>と<思い出のビーチクラブ>。カナザワ的には再発盤に解説を寄せたり、『Light Mellow 稲垣潤一』を組んだりと縁ある方なのだが、ライヴを観たのは超久しぶり。でも喋り声が年相応に低くなっているのに、天下の濡れたハイトーンはあの頃のまま。いやぁ〜、素晴らしかった。林さんとの喋りは適当なボケがあって面白いが、コンビは11月にも共演ライヴがあるので、ぜひ観に行かなくては…(詳細こちら)

アンコールは、キャスト全員が揃っての<真夜中のドア>で、メイン・ヴォーカルは予想通りのEPO。続いて<September>では、EPOと稲垣、そしてバンド・エイトのヴォーカル陣が交互に。松原みきが早世、まりやは大物すぎて…と、どちらもオリジナル・アーティストの出演が叶わない中では、コレが一番理想的なラインアップと言えるだろう。オーディエンスの盛り上がりも最高潮で、本当に楽しいライヴ・イベントになった。こういう人気アーティストが複数出演するショウは、今ではあまり珍しくなくなったが、ゲストを順番につないでいく演出など、自然な流れの中に見所を如何に作るか、そこがポイントになる。今回は林さんご自身が進行役を務めることで、ゲストとの会話がスムーズに進み、興味深い話がふんだんに聞けた。そういう工夫がないと、ただの寄せ集め興行で終わってしまう。でも歌われた楽曲の数々は、どれもエヴァーグリーンな名曲ばかりだ。

かくいう我が LIVE Light Mellow も、次回開催に向けてプランニングの真っ最中。コレに引けを取らないような、充実のショウにしなくては

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THE BAND EIGHT
M0 THE BAND EIGHTのテーマ(introduction)
M1 Get Funky
M2 Dancing to You
M3 All beauty is for you
M4 100万回のI love you

∋核榁I
M1 LE MISTRAL
M2 夢より苦しく
M3 Farewell, Midnight Blue
M4 愛は僕の弱さだから/山本達彦 feat. 芳野藤丸・林哲司

EPO
M1 うふふふ
M2 土曜の夜はパラダイス
M3 愛を
M4 DOWN TOWN/EPO + 山本達彦・芳野藤丸・林哲司

-- intermission --

の單司
M1 Loving in the rain
M2 Shadow Talk/林哲司 feat. EPO
M3 Rainy Saturday & coffee break

ニ野藤丸
M1 夏の女'18
M2 9th Notes
M3 BAD CITY/芳野藤丸 feat. 原久美

Π雎製甍
M1 バチェラー・ガール
M2 夏のクラクション
M3 P.S.抱きしめたい
M4 思い出のビーチクラブ/稲垣潤一 feat.林・ 一穂・美保

-- ENCOUR -- with All Cast
EC1 真夜中のドア
EC2 September

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