camilo sestodavid shields

このところ、マッスル・ショールズ・リズム・セクションの一員だった燻し銀のギタリスト:ジミー・ジョンソンが亡くなったり(9/5 享年76歳)、翌日には元モータウンのプロデューサー:クレイ・マクマレイが78歳で逝ってしまったりと訃報続き。そこへ追い打ちを掛けるように、この2人の弔報が飛び込んできた。スペインの人気シンガー・ソングライター:カミロ・セストと、L.A.で活躍した黒人のセッション・ベース・プレイヤー:デヴィッド・シールズ、である。

カミロ・セストは66年にデビューし、主に70年代にヒットを飛ばした人。80年代に入って米アリスタと契約し、82年にL.A.録音による(おそらく)唯一の英語アルバム『CAMILO』を発表した。でもコレがバリー・マニロウを髣髴させる王道ヴォーカル・アルバムで、年代柄、サウンドはAOR寄り。エリック・カルメンやエア・サプライを手掛けたハリー・マズリン制作で、バックにはリー・リトナーやマイク・ベアードらが参加。収録曲にも、AORテイストの強いビートルズ・チューン<Here There And Everywhere>とかエリック・カルメンの名バラード<Boats Against The Curremt>、ジョー・ウォルシュがジェイムス・ギャング時代に書いた<There I Go Again>のカヴァーのほか、グレン・バラード&ケリー・チェイター、ヘンリー・ギャフニーらが楽曲提供している。田中康夫の著書『たまらなく、アーベイン』に登場したのを機にチェックした一枚で、スパニッシュの異国情緒漂う、甘美なアダルト・アルバムだった。9月8日に72歳で死去。

その少し前の5日に、今住んでいるハワイで亡くなったのが、職人的ベース奏者デヴィッド・シールズである。デトロイト生まれで、やがてモータウンと関係を持つようになり、その流れでL.A.へ。ドラマーのジェイムス・ギャドソンに認められ、多くの有名アーティストに関わるようになった。ビル・コスビー、エモーションズ、パティ・ラベル、マリーナ・ショウ、ブラックバーズ、テルマ・ヒューストン、ジェリー・バトラー、スモーキー・ロビンソン、ナンシー・ウィルソン、グラディス・ナイト、ボビー・ウーマック、マイケル・ワイコフといったR&Bアクトの他に、フレディ・ハバード、ハーヴィー・メイスン、ロドニー・フランクリンらジャズ・フュージョン勢、スティーヴン・ビショップ、ビル・ラバウンティ、ロバート・ジョン、マリリン・スコット、スティーヴィー・ウッズ…といったAOR系と、守備範囲は広い。何より印象深いのは、シェリル・リン<Got To Be Real>でプレイしていること。その作曲陣であるデヴィッド・フォスターやデヴィッド・ペイチに気に入られたか、ビル・チャンプリン、エイドリアン・ガーヴィッツ、タヴァレス、デニース・ウィリアムスらのアルバムにも参加している。プレイ的には、デヴィッド・ハンゲイトやラボリエルより黒く、チャック・レイニーよりもしなやかで、ネイザン・イーストより重い。ジェイムス・ジェマーソンよりも洗練されてて、ルイス・ジョンソンみたいに やんちゃではない、そんな微妙な立ち位置。だけど、不思議な存在感があって惹かれてしまうプレイヤーだった。享年65歳。

ふたりまとめて、Rest in Peace...