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70年代から80年代初めに活躍したアレンジャー、プロデューサーのボブ・エスティが、9月27日に現地L.A.のホスピスで死去した。胃がんを患っていたという。エスティの仕事で有名なのは、ドナ・サマーやシェール、ポール・ジャバラなど、カサブランカ・レコードでのディスコ系作品。享年72歳だった。

bob esty

マサチューセッツ生まれのエスティは、ある時ポール・ジャバラと出会いニューヨークに。そしてジャバラの伝手でドナ・サマーと知り合い、更にL.A.へ移って手腕を発揮し始めた。ジャバラやドナの他にもD.C.ラルー、ロバータ・ケリーといったカサブランカ勢をプロデュース。そこを離れてからはシリータ、チャカ・カーンの妹タカ・ブーン、リサ・ダルベロ、アヴァ・チェリー、ウェザー・ガールズ、それにビーチ・ボーイズにも関わっている。

ディスコが舞台のコメディ映画『Thank God It's Friday(イッツ・フライデイ)』の挿入歌で、ドナが歌った<Last Dance>は、ジャバラが作曲、エスティがアレンジ、ジョルジオ・モロダー&ピーター・ベロッテのプロデュース。レコーディングは77年で、この年リリースされたドナのオリジナル・アルバム『I REMEMBER YESTERDAY』発表後、まもない時期の制作だった。この曲での仕事ぶりを認められたエスティは、そのままドナの次作『ONCE UPON A TIME』にもアレンジで起用され、11月に発売された。順番が逆になって年が変わってから映画公開と共に発表された<Last Dance>は、堂々全米3位の大ヒット。この曲でドナはグラミー賞最優秀女性R&Bヴォーカル・パフォーマンス、ジャバラが最優秀R&Bソングを獲得している。実際はエスティがジャバラのコ・ライター的役割を果たしたらしいが、クレジットがなかったため無冠に。それでもこの曲をキッカケにカサブランカとのプロデューサー契約を得たそうだ。

この時期エスティは、バーブラ・ストライサンド主演の映画『THE MAIN EVENT』のサウンドトラックで、バーブラ関連曲をアレンジ/プロデュース。こちらも元々バーブラがジャバラの書く曲を気に入って、彼をメイン・ソングライターに迎えたというが、ジャバラが制作中にトラブルを起こし、チームの一員だったエスティが昇格したらしい。一方 当時のエスティは波に乗っていて、ドナのバック・コーラス隊でもあるブルックリン・ドリームスをプロデュース。2作目でディスコに傾きすぎて失敗した彼らをブルー・アイド・ソウル路線に軌道修正し、好盤『SLEEPLESS NIGHTS』を世に出した。

併行し、てキワモノに見られがちなシェールのカサブランカ期を支えたのも、実はエスティだ。特に上掲の79年作『PRISONER』は、トム・スノウ作でエイミー・ホーランドやダン・シールズも歌っている<Holdin' Out For Love>を取り上げていたり、デヴィッド・ペイチ作のタイトル曲がTOTO全開のシティ・ソウルだったりして、なかなか美味しい。リサ・ダルベロの83年作(3作目)『DRASTIC MEASURES』は、オリヴィア・ニュートン・ジョン『RHYSICAL』やシーナ・イーストン路線を狙ってのモノだろう。

その後もアン・ベルトウィッチや<Friends & Lovers>をヒットさせたグロリア・ローリングに関わったが、良くも悪くも、表舞台では “ディスコ系サウンド・メイカー” というイメージがつきまとう人だった。

Rest in Peace...