fake 2019

台風19号が関東〜東北に深い傷跡を残し、一夜明けてその被害の大きさが明らかになってきている。自分が通っていた高校のすぐ近くでも河川の氾濫があったようで、水が流れ込んだ老人ホームの避難の模様を盛んにTVでやっていた。みなさん、どうぞお大事に…。

そんな中、自分はお付き合いで、知り合いが組んでいるコピー・バンドのライヴ観戦へ。熱心な角松敏生ファンにはお馴染みのFAKE。かつて目黒Blues Alley Japanで行われた周年ライヴには、角松自身が姿を見せ、自分の曲のコピーで自ら紙ヒコーキ投げを楽しんだ、という伝説的バンドだ。

こういうアマチュア・ライヴをクリティカルな目で観て何か言うのは、それこそ野暮というモノで、細かい理屈抜きに楽しむべし。対バン式だったので演奏時間もわりかし短く、角松新作からの<To be or Not to be>、90年代の<All Is Vanity>以外は、すべて80年代の楽曲で構成。代表曲はおおよそ網羅された。アンコールではちゃんと紙ヒコーキも。

職業柄、ライヴというと、どうも斜に構えて観てしまうクセがついてるけれど、ああして打算のカケラもなく、音楽を純粋に楽しんでプレイしているのを観るのは、清々しいものだ。自分も脱サラしてプロの物書きになった時、ある編集者から、「オマエは業界に染まっていないんだから、ファンの目線を忘れるな」とキツく言われたのを思い出す。つい最近も ある音専誌で、音楽評論家とはどんな仕事かを説明するインタビューを受け、取材していただいた同業の大先輩と「業界の常識は世間の非常識」と意気投合した。コレはまぁ、何処の業界にも「あるある」だけど、人様の目につきやすい音楽業界だけに、表裏や本音と建前の使い分けは多い。よく「辛口」と言われるカナザワだけど、それ故に信頼を得ている部分もある、と自分を納得させている。大人の事情に乗らざるを得ない時はあるにせよ、ただの提灯持ちににはなるまいて

今年はちょうどライター稼業20年目。もしサラリーマンのままだったら定年目前なワケで、いろいろと思うところは多い。あのガイド本も、そろそろマジで動き出します。

ライヴが終わって外へ出たら、一階のスポーツ・バーは歩道にまで人が溢れ、ラグビーの日本勝利で大騒ぎ。しかも外人ばかりで、サスガ六本木を痛感した…

fake@claps 2019