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以前から再発シリーズを監修させて戴いたり、Light Mellowコンピを2枚も組ませてもらったり、何かとご縁のある亜美さん。今年はLIVE Light Mellowに参加していただき、プロモーション、リハーサル、そして本番と何度もお目にかかる機会があったので、いそいそとこのライヴへ。バック・バンドの顔ぶれも、亜美さん、ご主人である小原礼(b)さんを中心に、鈴木茂(g)、林立夫(ds)、佐藤準(kyd)、是永巧一(g)、AISA(cho, ac-g)というレジェンド揃いで豪華極まりない。ステージ上はシンプルで楽器が並ぶだけだが、大きな演出なき演出で純粋に歌と演奏を楽しませる仕様といっていい。

オープニングはシットリと<For You>から。グランド・ピアノに座った亜美さんが、やおら弾き出す段取りだったようだが、i-padの譜面が違う曲を映し出していてスムーズに始められず、内緒話をするように「ちょっと待ってね…」。そして用意万端、ちょっとだけ時計を巻き戻して曲が始まった。序盤は<冥想><My Pure Lady><春の予感>と、完全に70年代の亜美's ヒット・パレード。途中MCでは、日本人の苗字ランキング順にメンバーが紹介される。へぇ、この編成って、1位と2位が揃っているのね。ちなみに今は、佐藤首位、鈴木2位なんだそーです。

中盤はメンバーの出入りが多くなり、まずは懐かしのThe Delta-Wing(亜美・礼・鈴木茂)のグルーヴィーな<Bengai Bamboo Babe>から、アコースティック・セットなど交えて。個人的には、南十字星を観に行った時の彼女らしい面白エピソードを交えて紹介された隠れ名曲<Southern Cross>が染みた。逆光のムーヴィング・ライトもインパクト充分。

再びフル・ラインナップが揃ってからは、松本伊代に書いた<時に愛は>から、アイドルへの提供曲メドレー。フリフリのドレスのまま、ピアノを離れてハンドマイクで楽しく歌い飛ばす。今年2月に亡くなったお母様の介護中に書いた<Smile>では、オーディエンスも一緒になっての大合唱。創作袋物作家だったお母様はいつも亜美さんのライヴに足を運んでいて、常連ファンの間では有名だった。

ちょっとシンミリした後は、<天使のウインク><Prism Train>でノリノリ爆烈。終盤亜美さんは声がちょっと怪しくなってカスレ気味になってしまうのだが、「<Prism Train>で叫び過ぎた…」とのこと。初日大阪では細いミスが多くて納得していない様子だったから、その分ハジケちゃったんだろう。「プロにあるまじき…」なんて杓子定規な正論をカマす輩もいるだろうが、それもまたライヴの醍醐味。自身のピアノと礼さんのベースだけで歌われた本編ラストの<オリビアを聴きながら>、アンコール2曲目で礼さんがコーラスについたカヴァー曲<明日に描ける橋>、そして完全弾き語りの<Soup>と、感動を呼び覚ますこのあたりの持って行き方、ステージングは、まさにプロフェッショナルなソレだった。声のカスレは、ある意味 我を忘れて一生懸命歌った証し。ステージと客席を一体化させた、偶発的演出だったように思える。

亜美さんがステージ袖に掃けた後は、恒例ブタさんのショート・ムーヴィー。還暦過ぎてもキュートさを失わない彼女には、まだまだ元気でハジケていて欲しい。「今は優しい歌をいっぱい歌いたい 」という亜美さんに、ほんのりホッコリさせられた夜だった。

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