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昨日17日(日)は、目黒 Blues Alley Japan にて、未唯mie さんの『裏ピンク3』。その 2nd Showを観た。“裏ピンク” とは、ピンク・レディー時代のシングルB面曲やアルバムに埋もれた好曲に光を当てる、そんなマニアックな企画。数多くのヒット曲があるピンク・レディーの裏側を覗き見る、そんなエッチなライヴなのだ。実際 未唯mieさんの出で立ちも、アラビアの女王様みたいな、スパンコールキランキランの真っ赤なオリエンタル・ドレスだったり。実は 裏ピンクのレパートリーは、そうした中近東っぽいアレンジが多いのよ。

…とはいえ、ピンク・レディー全盛期は既に、洋楽ロック少年になっていたカナザワ。ピンク・レディーのヒット曲はTVやラジオで知っていても、レコードを買ったりはしてないから、B面曲やアルバム曲はてんで分からない。それでも未唯mie さんライヴは、どんな企画であってもミュージシャンシップに溢れているから、楽曲に関わらず、ナマが面白いのだ

正月恒例の Pink Lady Night は、誰もが知っている大ヒット曲を面白おかしくアレンジしてブッ壊してしまう危うい楽しさ。それに反して裏ピンクは、ガチガチに構築された楽曲をレコード通りに再現する。ミュージシャンたちは “書き譜” と呼ばれる手法で、100%、用意された譜面通りに演奏しなければならない。歌謡曲や流行歌は、そうした“書き譜” の演奏が多いが、それがピンク・レディーの楽曲となると、早いテンポの3分間に多くの音楽的要素がテンコ盛りになるワケで、ピシピシしたキメごとのオン・パレード。当然ミュージシャンには自由なパートなど存在しない。

そうなると、プレイヤーたちは自己表現の場が奪われてしまうから、歌謡曲系は “面倒クサい現場” になりがちだし、どうしたって “お仕事” 感覚になる。でもピンク・レディーの曲ほど緻密に練り上げられ、針の穴を通すほどの演奏スキルが要求されるとなると、ミュージシャンたる者、俄然燃えるのだ。スポ根と同じで、ミュージシャンシップをチクチク刺激される。そう、ミュージシャンって 結構 “ドM” な生き物なのである (ホントか

オマケに今回は、弦が入ったり、ゲストでエレキ・シタールが入ったりと、編成が拡大。アンサンブルは更にヤヤコしいことになった。それでもメンバーたちは、アイ・コンタクトを交わしつつ、時折 快感の笑みを浮かべながらのプレイ。やっぱり変態の集まりだワ

そんな変態の皆さんは、バカボン鈴木 (b) 仙波清彦 (per)鶴谷智生 (ds) 梶原順 (g) 宮崎裕介 (kyd)金原千恵子 (violin) 笠原あやの (cello) 大滝裕子/佐々木久美/佐々木詩織/TIGER (cho) Guest:大嶋吾郎(el.sitar)という面々。

梶原さんや金原さんには、16小節程度の短いソロ・パートが1〜2曲づつあったものの、とにかくすべてがキメキメで、特にドラムは大変そう 一番お気軽に遊んで(?)いたのは、きっと仙波師匠だろうなぁ〜

フロントを張る未唯misさんは、相変わらず艶やか且つパワフル。自分はもう聴き慣れてしまったけれど、ピンク・レディーのアイドル的イメージしかない人は、その本格的なヴォーカル・パフォーマンスに驚愕するはずだ。4人のコーラス陣のうち、amazonsの大滝裕子さんは、いわばケイ役。曲をよく知らなくても、心底楽しめるライヴだった。

ちなみに来年の Pink Lady Night は、10周年を記念しての初ホール公演。アフター・パーティーとして翌日の Blues Alley もあります。鐘と太鼓が打ち鳴らされる、総勢20数名の超豪華絢爛ライヴを、ぜひこの機会に!

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