gregg rolie 019

少し前にリンゴ・スターのニュー・アルバムを紹介したが、この人もそこに参加して息を吹き返したというか、俄然やる気を出したのかしらね? それともサンタナが準オリジナル期のラインナップでアルバム制作&ツアーをやったのがキッカケ? 何れにせよ、サンタナやジャーニーで活躍した 鍵盤奏者/シンガーのグレッグ・ローリーが、ようやく、ソロ活動を始めた80年代後半のような作品を完成させて我々の前に提示してくれたのが、何よりも嬉しい。

だってサンタナで<Black Magic Woman>を歌っていたのはグレッグだったし、サンタナ時代の盟友ニール・ショーンとジャーニーを立ち上げ、スティーヴ・ペリー加入まで(その前にロバート・フライシュマンってのが短期間いたが)歌っていたのも彼。サンフランシスコのバンド然としていた初期ジャーニーをオンタイムで知る者としては、スティーヴ・ペリーへの評価とは別の次元で、グレッグ時代にもそれなりの思い入れがあるのよ。

それゆえにソニー AOR CITYシリーズで 彼の1st ソロ『GREGG ROLIE』(85年)の復刻を推進したのだし、できれば2nd『GRINGO』(87年)もリイシューしたかった。ジャーニーは決してAORだとは思わないけど(日本的解釈による)、グレッグの初期ソロはAORに片足を突っ込んでたと思う。でも90年代は、ジャーニーもどきのザ・ストームを組んだり、サンタナもどきのアブラクサス・プールを組んだりして迷走。ソロ活動に戻ってもデモ集みたいのとか、自分のバンドを率いてのセルフ・カヴァー・ライヴなどを出すばかりでジリ貧状態が続いた。でも先の『SANTANA IV』(16年)でイイところを見せていたので、ちょっとぴり期待していたのだ。そこに届いたのが、この『SONIC RANCH』である。

まず目につくのは参加メンバー。ニール・ショーン、マイケル・シュリーヴ、アルフォンソ・ジョンソンといったサンタナ関係者に、リンゴのオールスターズ同僚であるスティーヴ・ルカサー、現REO スピードワゴンのデイヴ・アマートなど。アルフォンソとエイドリアン・アリアス(サンタナ仲間のチェピートの息子らしい…)、ロン・ウィクソーは、グレッグ・ローリー・バンドのメンバーでもあったようだ。収録曲にはジャーニー2ndのタイトル曲<Look Into The Future>のセルフ・リメイクも。幾つかののパワー・バラードには既聴感アリアリで、オープニング<Give Me Tomorrow>は完全にプリンス<Purple Rain>。また<You>という曲は、モロにピンク・フロイド風で笑った。それでも ちょっとザラついた音のハモンド・オルガンとハスキーな歌声を耳にすると、やっぱり和んでしまう。

…なので、目新しいコトなどは何ひとつない。でもこれほどのベテランだから、正気を取り戻してイイ歌、いいプレイを聴かせてくれればそれでイイのだと、自分は思うな。