power to the pop

ビートルズの遺伝子たちの作品を詰め込んだ、日本企画のコンピレーションCD2枚組『POWER TO THE POP』、試聴中。12月中旬売りの某音専誌でビートルズDNA関連の特集記事が組まれ、カナザワもそれに参加したので、ちょっとそんな特別な思いを込めつつ。

気になる収録曲は、2枚組全41曲とかなりヴォリューミー。ビートルズDNAといっても、メンバーは4人、しかもポールなんかはメチャ引き出しが多い人だから、誰のいつ頃の持ち味を引っ張ってくるか、によってサウンドは激変する。でも、だから飽きない。

-- DISC1 --
01. Utopia / I Just Want To Touch You
02. Pilot / Magic
03. Eric Carmen / Never Gonna Fall In Love Again
04. Elvis Costello / Veronica
05. 10cc / The Things We Do For Love
06. ELO / One Summer Dream
07. Billy Joel / Laura
08. The Knack / My Sharona
09. Raspberries / Go All the Way
10. Tears For Fears / Sowing The Seeds Of Love
11. Todd Rundgren / I Saw the Light
12. Cheap Trick / Voices
13. Gilbert O'Sullivan / Alone Again (Naturally)
14. The Alan Parsons Project / Time
15. Badfinger / Know One Knows
16. Roy Wood / Dear Elaine
17. Stackridge / Fundamentally Yours
18. Klaatu / Calling Ocupants (Single version)
19. Freiheit / Keeping The Dream Alive
20. The Rutles / Cheese and Onions

-- DISC 2 --
01. Brad Jones / The Blunderbuss
02. Owsley / Coming Up Roses
03. Cotton Mather / Camp Hill Rail Operator
04. Fool’s Garden / Northern Town
05. Mike Viola / When I Hold You In My Arms
06. L.E.O. / Goodbye Innocence
07. Jellyfish / Joining A Fan Club
08. Imperial Drug / Boy or A Girl
09. The Nines / Insanity
10. Bleu / Could be Worse
11. Pugwash / Anchor
12. Ben Folds / Zak And Sara
13. Butch Warker / The Taste Of Red
14. Tim Christensen / Wonder of wonders
15. The Misties / That Is Not What Friends Are For
16. The Merrymakers / Monument Of Me
17. The Spongetones / Always Carry On
18. The Lightning Seeds / Three Lions
19. Sondre Lerche / You Know So Well
20. Kula Shaker / Shower Your Love
21. Oasis / Don’t Look Back In Anger

ざっと眺めて、DISC 1 は、ほとんど馴染深いラインナップ。改めて曲を聴かなくても、ほとんどソラでメロディが浮かんでくる。対して DISC 2 は、あまりご縁のないアーティストばかり。う〜ん、勉強になります。

参加した特集は、自分がビートルズDNAを含んでいると思われる楽曲を20曲リコメンドする、というもの。ライターさん十数名が参加しているそうで、基本的にココに収められたアーティスト周辺は誰かが挙げてくると考え、自分は主に得意分野であるAORやアダルト・コンテンポラリー、アメリカン・ロック系から選出。おそらく編集部も、カナザワにこの依頼を振った時点で、そういうコトを期待しているのだと思った。書き手にはエゴの強い人が少なくないけど、自分が相手から何を期待されているか、何故その場に自分が必要とされたのか、を察して書かないと、次の依頼は来なくなる。まぁ、なんの仕事でも同じコトだと思うけど。

ちょうど、プレAORについて色々考えを巡らせたり、片っぱしからレコード聴いたりしている昨今。<Here There And Everywhere>とか<Michele> <Elenor Rigby> <Blackbird><Long And Winding Road>など、ポールのバラードにはPre-AOR的な美メロ曲が多い。解散後の<My Love>然り。でもポールは天才肌なので、ロックン・ロールを描くのと同じようにメロディが何処からともなく降ってくるのだろう。それはある意味、ジョンも同じである。

しかしジョージは2人の天才シンガー・ソングライターに挟まれながら、如何にして自分の細い歌声、音域の狭さを克服するか、苦悩に苦悩を重ねた末に自分のスタイルを編み出した。それが<While My Guitar...>であり、<Something> <Here Comes The Sun>である。ギターも上手いポールへの対抗心からスライド・ギターを弾くようになり、才能がないことを自覚して「何事にもチャレンジすべし」とインド音楽を導入したり、開発から間もないシンセサイザーを使ったりした。エリック・クラプトンやビリー・プレストンといった外部ミュージシャンを最初に呼んだのもジョージで、それがビートルズ解散後、世界で初めての大規模チャリティ・ライヴ:バングラデシュに結実する。英国ミュージシャンでスワンプへの傾倒が一番早かったのも実はジョージで、クラプトンやデイヴ・メイスンよりも先だったとされる。

つまり、AORの最重要要素のひとつであるクロスオーヴァー感覚を持っていたのはジョージだったな、と。愛すべきコモン・マン。

ビートルズ DNA 特別サイト