mike della bella

12月になったので、少し早いが、18日に我が【Light Mellow searches】から登場するニュー・カマー:マイク・デラ・ベラ・プロジェクトの1st アルバム『ONE』をご紹介しておこう。その音は、TOTOやエアプレイのようなウエストコーストAOR、ジャーニーやボストン、ハート、サヴァイヴァーのような産業ロック、ヨーロッパ特有のメロディック・ロックの魅力的なところを、バランス良くミックスしたもの。もちろん楽曲によって何れかのベクトルに寄るが、トータルに俯瞰して、実に絶妙なブレンド具合で攻めてくる。マイク・デラ・ベラ自身がお気に入りの表現は、“アティテュードを持ったAOR/ウエストコースト・ロック” というものだそうだ。

このアルバムを最初にネットで発見した時、何より、このシティ・ポップ然としたアートワークに驚いた。そして実際に聴いて、この爽やかなイラストとは少々イメージが違い、意外にハードなのに虚を突かれた。でも楽曲クオリティは一様に高く、日本のAORファンに十分なアピールしそうな音だと思えた。

そこで早速マイク・デラ・ベラ本人とコンタクトを取り、日本でリリースしたいが、曲順変更やボーナス・トラック追加が可能か打診してみた。すると「日本のマーケットはそちらの方がよく知っているハズだから…」とツルッとOKが。しかも録り溜めているトラックがないので、すぐに2曲、追加録音してくれるという。何と嬉しいリアクションだろう。

だったらその気持ちに応えるべく、追加2曲はボーナス・トラックではなく、他の収録曲と同等に扱うことに。つまり、アルバム最後にオマケとして追加するよりも、この2曲を含めた全収録曲をシャッフルして日本用に新たに並べ替え、ジャパン・エディションとして仕上げよう、ということになった。先物買いで輸入盤を手にされた方、ストリーミング・サヴィスなどでオリジナルが聴ける方は、是非聴き比べてみていただきたい。必ずや、アートワークのイメージに沿った、ポップかつキャッチーなオーダーになっているハズだ。

イタリアのギタリスト/プロデューサー/作編曲家であるマイクは、実はフルタイムのミュージシャンではなく、普段は法律家として働いている。しかし80年代半ばにバンド・デビューしており、90年代は自分のスタジオを持って作編曲家として暮らしていた。彼が書いた曲が、米ビルボード主宰のソングライター・コンペティションで賞賛されたこともあるという。それでも安定した生活には届かず、やがて音楽の道を諦めざるを得なくなった。とこそが最近になって、ひょんなコトから音楽活動を再開することに。そして断続的に2年間の制作期間を経て、このアルバムが完成した。収録曲の多くは、むかしに書いて身は大様になっていたもので、それをブラッシュアップし、レコーディングしたのだという。

こうしたタイプの音楽だと、通常はハイトーンの男性ヴォーカルを起用しがち。でもマイクはナナ・ペトロッシという女性シンガーをメイン・ヴォーカルに据えた。ナナのストレートかつ伸びやかな歌声が、このプロジェクトの大きな特徴になっている。
「私はいつも女性ヴォーカルのために曲を書いてきた。自分のヴォーカルがイケてないことが分かって以来、ずーっとね。ナナの歌声は聴いてすぐに恋に落ちたよ」

まずは皆さんもご堪能あれ。