david foster_intimate

ちょっと唐突にデヴィッド・フォスターのニュー・アルバムが出た。ただしスタジオ新作ではなく、今年8月にL.A.で行われたTV番組『Great Performances』のためのショウを収録したライヴ・アルバム。きっと近いうちに映像版もリリースされるのだろう。そうなるとフフォスター&フレンズの『HITMAN』や『HITMAN RETURNS』の続編なの?ということになるけれど、まぁ、当たらずとも遠からず。イメージとしては、一年前にブルーノート・トーキョーで行われた来日公演の豪華版で、アレに10人編成のストリング・セクションが付いた、と思えば良い。

そこで突っ込みたくなるのは、ヴォーカル陣に馴染みの人がいない、ということ。パッと見で目につくのは、日本には同行できなかったキャサリン・マクフィー(5人目のフォスター夫人)くらい。流石に歌の上手い人ばかりがズラリ揃っていて、最近スター発掘番組のジャッジづいてるフォスターらしく、ピア・トスカーノやローレン・オールレッドといった実力派が参加しているけれど、オールスター・キャストだった『HITMAN』に比べると、いかにも小粒。何だかフォスターが押す若手シンガーのショウケース的匂いがしないでもない。

バック・バンドもジョン・ロビンソン(ds)以外は、最近のバンド・メンバー。演奏は確かで堅実だけど、特徴には乏しい。ヴォーカル陣にしたって、セリーヌ・ディオンとかホイットニー・ヒューストンが複数いるみたいな…。メチャクチャにスキルフルだけど、彼女たちのヒット曲を歌っているだけでは、その上には行けない。だから結局のところ、フォスターのアーティスト/プロデュース・パワーがこのライヴの命綱。でもコレを聴くなら、『HITMAN』や『HITMAN RETURNS』を選んでしまうな。

今のところ国内盤が出る予定もなさそうだし、熱心なフォスター・ファン向けのアイテムになりそうだ。