camera soul_019

イタリア発のオシャレ・アシッド・ジャズ・グループ:カメラ・ソウルの、日本で3枚目となるニュー・アルバム。本国では通算5作目。先行発売されたUSでは、The Akademia Music Award の2019年7月度 Best R&B/Soul Albumに選出されたそうで、インコグニート、ブラン・ニュー・ヘヴィーズの後継たる好バンドとして発売元の鼻息は荒い。

ただし、従来イメージ通りのスタイリッシュなジャズ・ファンクを聴かせてくれるかというと、今回は少しニュアンスが違う。アルバム冒頭の<Existence>やディスコっぽい3曲目<What A Deserve>などビート・チューンの魅力は相変わらずながら、前2作と比較すると、ちょっとメロウでゆったりしたナンバーが増えた気がしたのだ。正確には、収録曲数のバランスが変わったのではなく、曲順がアッパー、スロウと半ば交互に配置されているため、バラードやミディアム・ナンバーの印象が強く耳に残るようになったようだ。

ただ中心人物のピエロ・ロンハルドは、「素敵なことだけでなく、哀しいことも含め、全ての面において寄り添える人生賛歌でありたい。このアルバムには、こういう想いを込めた」と語っている。だからその分、少しだけ内省が深くなった、というコトなのだろう。だから、ちょっとだけアーバニズムを増量した、とも言えるし、少し落ち着きを増した、という言い方もできる。バンドとしては、確かな成長の表現でもあるだろう。もっともカナザワ的には、この手のバンドに濃ゆい感情を乗せたバラードを求めることはないので、もっと思い切って吹っ切れちゃってイイのになぁ、という感想。

充分に魅力的なアルバムだし、以前からのカメラ・ソウル好きなら裏切られるコトもなく、安心して楽しめる作品だ。でもこれからカメラ・ソウルを聴く方には、むしろ本邦デビュー作『DRESS CODE』やその次の『CONNESTIONS』をオススメしたいな。