kiss alive

今年最後のポストがニール・イネスの訃報というのも悲しいので、ちょっとチラ見したNHK紅白に出演していたキッスをネタに。ちょうど彼らもフェアウェル・ツアーで世界中を廻っており、この12月に来日して最後のジャパン・ツアーを開催した。70年代、最初の2度の来日を観ているので、見納めに行きたい気持ちもあったけれど、チケットは高いし、いろいろ都合もあって断念。来日中にクルマでこの最初のライヴ盤を聴いて、気を紛らわしていた。やっぱり自分にとってのキッスは、『LOVE GUN』(77年)の頃までなんだな。

さて、今年は自分もいろいろあって、3月に介護していた母親が身罷り、6月には自分が救急搬送されて初入院(初輸血も)、9月には手指の持病で初手術を経験した。まだ前厄だったのに、健康面でトラブルが多かった。ここはジーン・シモンズに火を吹いてもらって、厄落としにしようか…

音楽的にはシティ・ポップの隆盛に驚かされるばかりだったけど、その中身や指向性には疑問も多く、ハスに構えることが増えた。ま、自分は今、気持ちがAORに向かっているので、あまり熱くならず、ちょうど良いのかもしれないけど。

それにしても、新聞のラテ欄で紅白の出演リストを見てみたら、あまりに知らない出演者が多いことにビックリ。オマケに、紅白スペシャルとか令和メドレーとかの企画モノばかりが並んでいて唖然。コレ要するに、今年はロクにヒットが出せなかったアーティストばかり、ということだよな? 本来紅白といえば、その年のヒットを総括する番組だったはずなのに…。

サブスクリプションが音楽メディアの中心になったら、新曲もカタログもほとんど等価値になる。フィジカルは廃盤になったり品切れになったら対価を産まなくなるが、サブスクは微々たる金額でも取り下げない限りゼロにはならず、何かの拍子に注目されればアッという間に火がつく。イイものにはそういう可能性が常にあるのだ。米国で音楽の売り上げが上昇しているのはそういうこと。既得権にしがみついてガラパゴスでいる日本は、乗り遅れていくばかりだ。

それでも今年はユーミン、そしてごく最近はサザンがサブスクを解禁した。この流れが不可避なら、後手を踏んで後追いするより、さっさと受け入れて早々に対応すべし、と真剣に思う。音楽ビジネスはまさに過渡期で、そこを生業にしている自分のような人間には、来年は より厳しい一年になるだろう。でもそれはあくまでビジネス面であって、音楽好きにとってはむしろ歓迎すべき方向に進んでいる気がする。それを生かすかどうかは、まさにリスナーひとりひとりに掛かっているんだな。

さて、今年もあと1時間。ウチは喪中なのでお祝いはできませんが、皆さま、良いお年をお迎えください。一年間のご支援、ありがとうございました。

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