junko hirotani 2

年明けからまだ4日というのに、もう2本目の訃報。しかも今回は日本のポップス・シーンを影から支えてきた実力派シンガーで、多少のお付き合いもあった方の逝去である。昨日は「いちいち落ち込んでいられない」と書いたけれど、その舌の根も乾かないうちにガッタリ… 直接的に繋がりがあった方が亡くなると、やはり冷静ではいらない
広谷順子さん、ご冥福をお祈りします。



ソロ・シンガーとしての順子さんは以前から知っていた。けれど直接のご縁が生まれたのは 彼女がアカペラ・グループ Breath by Breath に参加していた頃だから、15年くらい前のことになる。メンバーは松下誠、木戸やすひろ・広谷順子さんご夫妻に、比山貴咏史、高尾直樹の5人の混声で、童謡などもレパートリーにしていた。相方が彼らのライヴをサポートしたのが、最初のキッカケだっただろうか。その後、ご主人である木戸さんの1st ソロ『KID』を初CD化を企画したりして距離が縮まり、ライヴ・ハウスでちょくちょく顔を合わせるようになった。素顔の順子さんはとてもキュートで、笑顔がとてもカワイイ方。カナザワより少し歳上なのに、愛くるしい妹のような朗らかな女性だった。それを優しく物静かに見守る旦那の木戸さん、という構図も、なんだかホンワカさせられたな

シティ・ポップがジワジワと認知度を高めつつあった13年に、順子さんのソロ3作目『ENOUGH』(83年)を拙監修【Light Mellow's Picks x Tower to the People】でタワーレコード限定初CD化。続いて16年にデビュー・アルバム『その愛に』と2作目『BLENDY』を、やはり拙監修でポニーキャニオンから再発させていただいた。2度目の時は直接インタビューも行なって、「こういう場所(レコード会社の会議室)で取材用に会うなんて不思議だね〜」なんて話したのを覚えている。

耳に変調が出て数年前からライヴ活動を控えていたのは知っていたし、いつも一緒だったご夫妻が、最近は木戸さんお一人が多かったので、ちょっと気にはなっていた。昨年末に、自分史を語るサイトをオープンされたばかりで、「これは元気になったから? それとも旅立ちの準備なの?」と思っていたら、どうも後者だったようで、悲しいコトに6日に予定された最初の更新前に逝ってしまうことに。ご本人も木戸さんも、長くはないと分かっちゃいたけど、まさかこんなに…という心境だろう。お茶目なところがある順子さんだけど、ちょっと少々せっかちが過ぎるよォ〜

でも今にして思えば、訃報を聞いて慌てて動くんじゃなく、シッカリご本人に協力して頂けた再発プロジェクトになって良かった、と思う。でも休養中の山本潤子さん(ハイファイセット)に続き、日本ポップ・シーンは、また歌声の美しさで稼げるシンガーを失ってしまったことになる。

広谷順子さん、2020年1月4日没。
改めて、ご冥福をお祈りします。