robert lamm_time chill

シカゴ結成50年目に当たる2017年にリリースされたロバート・ラムの最新ソロ・アルバム。今ちょうどシカゴ周辺の諸々を聴き直しているんだけど、このアルバムはほとんど記憶になかった。イヤ封は開いているので耳は通したはずながら、あっさり聴き流してCDラックにしまい、そのまま忘却の彼方… ロバートの一連の自主制作ソロなら、シカゴを足蹴にするような『SUBTLETY & PASSION』という傑作があったからね。

実際このアルバムは、サブ・タイトルに “Retrospective” とあるように、ロバートが自主制作でリリースしてきた作品群をコンパイルしたもの。対象になったのは、『SUBTLETY & PASSION』(03年)、『TOO MANY VOICES』(04年)、『THE BOSSA NOVA PROJECT』(08年)、『LIVING PROOF』(12年)、『ROBERT LAMM SINGS:The JVE Remixes』(12年)という5枚のソロ作と、アメリカのジェリー・ベックリー、ビーチ・ボーイズの故カール・ウィルソンと組んだベックリー・ラム・ウィルソンのワン&オンリー・アルバム『LIKE A BROTHER』(00年)の計6枚。

このうち最初の4作からは各2曲づつ、『ROBERT LAMM SINGS:The JVE Remixes』からは1曲、そしてベックリー・ラム・ウィルソンは、日本盤と04年US再発時のボーナス・トラックから1曲選ばれた。更に5曲の未発表トラックを追加。ただしその5曲のいずれもが The JVE Remix とあるので、 『ROBERT LAMM SINGS:The JVE Remixes』のアウトテイクなのだと推察できる。現にシカゴの初期ナンバー<Does Anybody Really Know What Time It Is>と、00年代のシカゴに用意したが不採用になった<I t's A Groove Thing, This Life>は『ROBERT LAMM SINGS』に収録され、今回はそれとは別ミックスでの収録となっている。

また04年の『TOO MANY VOICES』は、99年作『IN MY HEAD』のリワーク・アルバム。その時ロバートの相方だったのが、ジョン・ヴァン・エプス(John Van Eps)だ。そう、彼こそが JVE の正体。『IN MY HEAD』が少し過激すぎたか、『SUBTLETY & PASSION』からナチュラルな仕様になった(打ち込みを使ってても)ロバート作品だが、 JVE と切れたワケではなく、チャンスがあればコラボを続けていたようである。それがココに集成。 JVE とベックリーにも近いハンク・リンダーマンが、ロバートのソロ・プロジェクトに於ける制作パートナーなのだ。

この一連のソロ作、サブスクリプションではだいたい聴くことができるが、CDはほぼ入手困難、もしくはプレミアつき。現状たやすくゲットできるのは、この編集盤ぐらいのようなので、未聴の方は是非チェックを。今や、壮大なドサ回りバンドと化してしまっているシカゴに期待しても裏切られるばかりなので、個人的には、前向きにソロ作を出しているロバートに期待したいな。